「今年中に戦争は終わらない」避難3か月母子の苦悩(2022年7月2日)
こちらは、避難者同士の交流を目的とした、ウクライナの伝統工芸品を作るイベントです。
オデーサからの避難民
「ウクライナ文化を感じられてとても気に入っています。ここに来るたびに癒されます。」
現在、ウクライナから日本への避難者は1、432人。(出入国在留管理庁 先月29日時点)
避難生活が長期化する中、日本で暮らし始めて3か月を迎えた親子がいます。
保育園の職員 「おはよう!アナスちゃん」
エカテリーナさんと3歳の娘・アナスタシアちゃんです。
日本に暮らす姉を頼り、ウクライナ西部の街ジトーミルから避難したエカテリーナさん親子。私たちの取材に、こう話していました。
エカテリーナさん
「日本語が話せないので、日本人と同じように働くことが出来ないと思っています。何の仕事でもやるつもりです。いくらきつい仕事でも。」
抱える不安は「言葉の問題」、そして「仕事」…
支援者の紹介で働き始めたのは、「いちご農園」です。
作業中に取り出したのは、自動翻訳機。
エカテリーナさん 「※ウクライナ語で翻訳機へ話す」
翻訳機 「このベリーを選ぶことはできますか?」
今摘み取るべき、「いちご」を確認します。
農園の人 「明日まで待ってください。」
翻訳機 「※ウクライナ語で発音」
エカテリーナさん 「はい。」
エカテリーナさん
「自分で頑張って日本語を勉強していますが、もう少ししたら、絶対ウクライナに帰る、その気持ちが強いので、新しいことを覚えるのは難しい。でも頑張ります。」
作業を教える農園の職員は、エカテリーナさんについて。
社会福祉法人暖家の丘 黒木さん
「日本に来たばっかりで不安も多い中、自分の意見をパシッと言ってくれたり
積極的に作業に加わって下さるのですごくありがたい。」
新たな苗を植えるため、収穫を終えた、いちごの株を抜く作業が始まりました。
猛暑の中、土にまみれての作業が続きます。
ウクライナでは、エステティシャンだったエカテリーナさん。
今の仕事をどう思っているのでしょうか?
エカテリーナさん
「元々仕事を探していた時、きっときつい力仕事になると思っていました。でも、大学生の頃、このような仕事をやったことがあるので、私は農家の仕事について知っているつもりです。」
仕事を終え、真っ先に向ったのは、アナスタシアちゃんが通う保育園です。
元気な姿を見て安心した様子のエカテリーナさん。
というのも先日…
エカテリーナさん
「娘の体調が少しずつ悪くなってきて、熱が出たことが分かりました。病院に行って薬をもらって治療をしました。ただの風邪だと分かったので、そんなに心配しなかったです。」
就労ビザに切り替え、健康保険に加入できていたことで
受診もスムーズでした。今は元気いっぱいに過ごしています
「ABCの歌 歌うアナスタシアちゃん」
様々な課題に直面しながらも続く、母子2人での生活。
この日の夕食は、“博多ラーメン”
4月には、キーウの姉妹都市・ 京都へ。“平和”を実感する旅でした。
エカテリーナさん
「日本からの支援に対して感謝しています。市役所だけではなく一般の日本人の人々からもいろいろと助けられています。例えば、近所の方から野菜などを貰っています。」
しかし、気がかりなのは、
今もキーウ近郊に暮らす家族のことです。
エカテリーナさんの義母
「家のそばに何か飛んできた。おそらく鉄道の修理工場が狙われていたと思う。」
先月末には、再び首都キーウが攻撃されました。
エカテリーナさん
「すごく心配しています。残念なことに、今年中に戦争は終わらないと思います。」
ふるさとを憂いつつ、
遠く離れた日本での避難生活は続きます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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