「短い梅雨」が関係? 北海道で“記録的大雨” 河川氾濫に相次ぐ事故も(2022年6月29日)
大雨に見舞われている北海道では川が氾濫するなど被害が相次いでいます。なぜこの時期に記録的な雨量となるのでしょうか。各地の早い梅雨明けと関係がありました。
「梅雨がない」とも言われる北海道ですが、梅雨前線の影響をもろに受け…。川が決壊していました。
旭川市の郊外を流れる一級河川「ペーパン川」。
水田地帯にある住宅が浸水し孤立した住民の救助活動が行われました。
消防によりますと、29日朝、近隣に住む人から「川があふれて家が浸水し玄関の扉が開かない」などと通報があったそうです。
救助された住民:「今、家の中はわったわただわ!全部、戸棚もタンスも何も、全部あれだもん…。倒れちゃって。冷蔵庫も何も全部ダメ」「(Q.体のどのくらいまで浸水した)これくらい(腰付近)まであったよ、一番あった時は」
旭川市では、29日午前3時までの24時間に6月の観測史上、最も多い79.5ミリの雨を観測。
これは以前に撮影されたペーパン川の様子。
ニジマスなど渓流釣りで人気スポットなのだそうです。
4年前にも氾濫したことがあり、工事が行われていました。
古屋農園・古屋勝副代表:「以前、堤防が決壊した経験から堤防周りを見て回った。それほど心配な状況ではなかった」「(Q.『ペーパン川』はアイヌ語でどういう意味?)『甘い水の流れる川』みたいな意味で…。ここは水田地帯ですので、当然農業用の水としては貴重な川」
今回、再び大雨で水があふれ、少なくとも2棟の床下浸水が確認されていて、市や消防などが上流を中心に被害状況を確認中です。また、市内には避難所が開設され、今後の雨に警戒を続けています。
そして、こちらは北海道の日本海に面した町、江差町。
激しい雨が道路を打ち付け海は大しけです。
時折、強い風が吹いているほか、道南では午前5時半までの24時間雨量が100ミリを超えました。
この雨の影響でJRは函館線、宗谷線、石北線の一部と留萌線の全線で運転を見合わせ特急27本を含む列車73本が運休。
また、道路も土砂崩れや落石の危険度が高まり道内各地で通行止めが行われています。
6月の北海道に激しい雨をもたらす原因について気象予報士・今村涼子さんの解説です。
気象予報士・今村涼子さん:「旭川ではきのうから80ミリ近い大雨となりました。この80ミリ近い量というのは、平年6月の1カ月分以上の量に匹敵する大雨。旭川としても6月としては過去最大の雨量ということになりました。この時期としては異例の強さで、太平洋高気圧が日本列島を覆っている。それが、各地での過去最も早い梅雨明けにつながっているが、太平洋高気圧に梅雨前線が押し上げられてしまって、北海道方面に梅雨前線が停滞しやすい状況が続いている。本来なら、梅雨のない北海道で雨が降りやすいという状況。例年のこの時期だと、西日本方面に入りやすいような、非常に温かくて湿った空気がその前線に向かって流れ込んでいる。北海道上空でも、かなり雨雲が発達、記録的な雨量になっている」
29日、東北南部地方で梅雨明けが発表された一方、東北北部や北海道では雨量が日増しに増え続けています。
今後、雨はどれくらい降るのでしょうか。そしていつ天気は回復するのでしょうか。
気象予報士・今村涼子さん:「本来なら6月終わりの時期の梅雨前線の位置というのは、例年だと、西日本とか東日本の太平洋側に停滞するはず。北海道は、どちらかというと晴れが多いイメージ。今回は全く違って、まるで梅雨のような天気になっている。北海道方面は今夜遅くにかけて、まだ激しい雨の恐れがあります。引き続き、川の増水、土砂災害など警戒が必要。あすにかけては雨の範囲が東北に移ってきます。(あすにかけて)東北でも強い雨が予想されます。今後、雨が長く降り続くということではないが、週末にかけて、断続的に雨が強まる時間帯も出てきそう。引き続き警戒が必要だと思います」
また、北海道北斗市では用水路で30代男性が流され行方不明となっています。
用水路に詰まったごみを複数人で掃除していたそうで、午前10時すぎに「人が落ちて流された」と119番通報。一時的に雨がやんだ後も傾斜地や川の近く、用水路など危険な場所には近付かないようにして下さい。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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