各地で感染拡大・・・国内対策へ“全員入院”の対応見直し(2022年1月4日)

各地で感染拡大・・・国内対策へ“全員入院”の対応見直し(2022年1月4日)

各地で感染拡大・・・国内対策へ“全員入院”の対応見直し(2022年1月4日)

東京都が4日に確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は151人でした。2日連続で100人を上回っていて、20代と30代で、6割以上を占めています。オミクロン株への感染も、新たに8人確認されました。

大阪府でも124人の感染が確認され、全国の新型コロナの感染者は約3カ月ぶりに1000人を超えました。気になるのは、山口県で79人、広島県でも109人と感染の再拡大が起きていることです。

山口県岩国市で話を聞きました。この地ならではの事情も、大きく影響しています。
40代男性:「マスクしないで歩いているアメリカ軍基地の関係者の人っぽい人が見かけた」
50代女性:「ちょっと困る。外に出さないようにするとかしてほしい」

アメリカ軍の岩国基地で広がる新型コロナの感染。4日は新たに47人の感染が発表されました。オミクロン株なのかは明らかにしていません。さらに、基地を起点に感染が広がった可能性が指摘されています。
岩国市・福田良彦市長:「国立感染症研究所の方から県に派遣されている専門家による分析だが、行動歴等から基地から感染した可能性がある基地従業員と市内の飲食店の陽性者のゲノムのタイプが同一だった。基地内でのオミクロン感染者が市中に漏れたということ。関係を踏まえれば、可能性が高いと」

年頭の記者会見に臨んだ岸田総理は、こう述べました。
岸田総理:「市中感染が急速に拡大するという最悪の事態が生じる可能性に備えるため、水際対策の骨格は維持しつつも、国内における予防検査、早期治療の枠組みを一層強化し、オミクロン対策の重点を国内対策へと移す準備を始める」

感染が急拡大している地域では、オミクロン株への対応も見直します。
岸田総理:「自治体の判断で陽性者を“全員入院”、濃厚接触者を“全員宿泊施設待機”としている現在の取り組みを見直し、症状に応じて、宿泊自宅療養も活用。万一の感染急拡大期にも医療のひっ迫を招くことなく、万全の体制ができるようにする。こうした取り組みにもかかわらず感染が再拡大し、病床がひっ迫が見込まれる場合には、国民の理解を丁寧に得つつ、行動制限の強化も機動的に考えていかなければならない」

重症化を防ぐ切り札として、期待されているのが“飲める治療薬”です。
岸田総理:「昨夏と状況が大きく異なるのは飲める治療薬。メルク社の経口薬は、全国1万を超える医療機関、薬局が登録を済ませ、そのうち約5000に薬をすでにお届けできている。在宅で療養される方々には、陽性判明の当日ないし、翌日に連絡。健康観察、訪問診療を始める体制をとる。診断の当日ないし翌日に経口薬を投与できる体制を確立する」

横浜市にある薬局に4日、飲める治療薬『モルヌピラビル』が届きました。対象は18歳以上で、重症化リスクが高い軽症・中等症の患者です。海外の臨床試験では、入院や死亡のリスクを30%下げる効果が確認されています。
あろま薬局・立川靖之薬剤師:「コロナに感染したときに『飲み薬がいつも行っている町の薬局にある』と言ったら、すごく地域としては安心感が出ると思う」

ただ、課題もあります。
あろま薬局・立川靖之薬剤師:「感染している人が(処方箋を)直接、お持ちになれない。オンラインの対応に取り組んでいかないといけない」

通常と違って、患者が処方箋を手に薬局に出向くことはありません。処方箋のやり取りは、医療機関とのFAXなどで、服用方法の指導は電話やオンラインです。薬も手渡しではなく、自宅や療養施設への配送だといいます。
あろま薬局・立川靖之薬剤師:「一生懸命、制度をつくっている段階。患者の気持ちを考えたとき、早く飲んで『重症化したくない』『入院したくない』と、その思いをできる限り適えて、安心感を持ってもらうのが最大の課題」

◆厚生労働省のアドバイザリーボードのメンバーで、国際医療福祉大学の和田耕治教授に聞きます。

(Q.今後、全国的にオミクロン株に置き換わっていくのでしょうか)
いまのところデルタ株が残っている地域がありますが、今後は、オミクロン株に置き換わってくると考えています。地方の都市であっても知らない間にオミクロン株が広がると想定した準備が必要だと思います。

岸田総理は4日、オミクロン株の陽性者について『全員入院・個室隔離』、退院は『PCR検査で2回連続陰性』としていた現在の取り組みを見直し、「自治体の判断で症状に応じて宿泊・自宅療養を活用する」と述べました。

(Q.去年末にアドバイザリーボードが提案した通りになりましたが、具体的にどのような対応が必要になりますか)
まん延を想定した対策を進めていくことになります。デルタ株のときと同様に、入院は病状に応じて、重症の人を優先していく。いま、厳しくなっている退院の基準を前の目安に戻していく。非常に速い速度で感染者が増加していくので、早め、早めの対応が必要になります。

(Q.自宅療養の対応について、どう考えますか)
重症の人を、どうやって拾い上げていくかが重要になってきます。そのために開業医、訪問看護など、第5波のときに動いた方々が、この2、3カ月、ゼロの状態になっていますので、それをまた立ち上げていく。遅れることなく、それぞれの自治体が取り組んでいくことが必要になってきます。

(Q.デルタ株からオミクロン株に置き換わると、今後、私たちの“戦い方”も変わってくるのでしょうか)
オミクロン株は症状が比較的、軽いということがありますが、熱が出たり、のどが痛いなどの症状が出ています。職場で感染が広がりやすいということがわかっていますので、事業継続が危ぶまれる事態。例えば、病院であったり、ごみの収集や電車など、休業者が出ても社会を動かせていけることを含めて考えていかないといけないと思います。特に今週に関しては、帰省から戻ってきた人が多いと思いますので、ワクチン接種をしていても症状があれば、休んで、検査を受けることを徹底してほしいと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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