【解説】口つけた飲料…約48時間放置で“30万倍以上”増殖?

【解説】口つけた飲料…約48時間放置で“30万倍以上”増殖?

【解説】口つけた飲料…約48時間放置で“30万倍以上”増殖?

気温、湿度ともに高まるこの時期は、食中毒に注意が必要です。私たちが普段何気なく行っていることにも危険が潜んでいました。

「暑い!“細菌”増加」
「“飲みかけ”に注意」
「作り置きでも気をつけたいポイント」

以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。
■来週も暑い日が… “細菌性食中毒”夏に増加傾向
24日、東京都心の最高気温は32.6℃まで上がり、今年一番の暑さになりました。週末、来週なども、さらに暑い日が続く予報となっています。

これだけ暑くなってくると増えてくるのが、食中毒です。気温や湿度が高く細菌が増えやすい梅雨の時期から夏場にかけては、特に細菌性の食中毒に注意が必要です。
■口つけたペットボトル…一番“増殖”する飲料は
こうした暑さの中、ペットボトル飲料を飲む人も多いと思いますが、こうした飲料は一度口をつけて飲むと唾液の中の様々な細菌が飲料に入ってしまいます。さらにそれを暑い中、カバンで持ち歩くということもあります。

宇都宮市は、口をつけて飲んだ「ミルクコーヒー」「麦茶」「スポーツ飲料」「果汁100%オレンジジュース」「緑茶」を30℃に設定した機械の中に48時間放置するという実験を行いました。

この中で、一番細菌が増えたのは「ミルクコーヒー」となりました。24時間で「約1万倍」に、48時間後には「30万倍以上」に細菌が増殖したということです。細菌は、糖分やタンパク質を栄養源として増殖するので、こうした栄養分を多く含むミルクコーヒーで大幅に増殖したと考えられるということです。

2番目は「麦茶」で、48時間後に細菌は「10倍以上」に増殖したといいます。麦茶は穀物である大麦の種子が原料となっており、炭水化物を比較的多く含むことから、それを栄養に細菌が増えたと考えられます。

ほかの3つでは、細菌が減少する結果となりました。

「スポーツ飲料」と「果汁100%のオレンジジュース」は強い酸性だったことから、細菌の増殖を抑える効果があったと考えられます。また、「緑茶」は「カテキン」が細菌の増殖を抑制する作用があるため、この働きによって減ったと推測されます。

ペットボトル飲料内の細菌を増やさないためには、次の2つの点に注意するのがいいということです。

(1)口をつけずにコップに注いで飲む
(2)冷蔵庫に保管してなるべく早く飲む

福岡市保健環境研究所による、口をつけて飲んだペットボトルの麦茶を「30℃で放置」したものと「4℃の冷蔵庫で保管」したものを比べた実験では、24時間後の細菌の数に「約260倍」もの差がつきました。また、宇都宮市の実験で細菌が減っていた緑茶なども、種類や条件が変われば結果も変わることがあるということなので、コップに注ぐや、冷蔵庫に保管して早く飲むなどの対策をとったほうがいいということです。

最近は、マイボトルや水筒を直接口につけて飲むことが多いので、そちらも気をつけたほうがいいです。

■“作り置き”注意 特にカレーなどの煮込み料理で…
これからの季節、料理の作り置きにも注意が必要です。

料理を作ったら粗熱をとり、密閉容器に入れるか、ぴったりとラップで包んで早めに冷蔵庫や冷凍庫に入れることが大切です。家庭で特に注意したいのが、カレーやシチューなどの煮込み料理です。

厚生労働省などによると、このような料理は大量に作って、そのまま鍋で置いておくことで「ウェルシュ菌」が増殖するおそれがあります。

ウェルシュ菌が一番増殖しやすい温度が「約40℃~50℃」なので、とにかく早く冷ますことが大事です。

料理を鍋に入れたまま置きっ放しにして冷ますのではなく、底の浅い容器に小分けにして、なるべく早く粗熱をとるのがポイントです。そして、冷めたらすぐ冷蔵庫や冷凍庫に入れるのがいいということです。

■食中毒防ぐ「3原則」 一方、もしなってしまったら…
厚労省などによると、食中毒を防ぐために次の3原則があります。

(1)手や調理器具などをよく洗い、細菌を「つけない」
(2)肉や魚などは早く冷蔵庫などに入れて細菌を「増やさない」
(3)しっかり加熱し「やっつける」

では、食中毒になってしまったかな…という時、ぜひ覚えておいて欲しいのが、自己判断で市販の下痢止めなどの薬を服用しないことだといいます。

下痢止めを服用すると、体内から菌が排出できなくなってしまう可能性があります。下痢や嘔吐(おうと)の症状が出た場合は、まずは水分や塩分をとって、なるべく早く菌を身体の外に排出することが大事です。薬を服用する場合は、必ず医師の診断を受け、処方されたものを服用して欲しいということです。

    ◇

食中毒の原因となる細菌は目には見えませんが、私たちの周りのいたるところに存在しています。少し意識して気をつけるだけでもリスクを減らすことができますので、これからの季節、この記事で解説した注意点を、ぜひ実践してみてください。
(2022年6月24日放送「news every.」より)

#食中毒 #夏 #食中毒 #日テレ #newsevery #ニュース

◇日本テレビ報道局のSNS
Facebook https://ift.tt/5I4dHkE
Instagram https://ift.tt/VZzGko2
TikTok https://ift.tt/ipUSBkl
Twitter https://twitter.com/news24ntv

◇【最新ニュースLIVE配信中】日テレNEWS HP
https://news.ntv.co.jp

日テレNEWSカテゴリの最新記事