800万人超が国外へ避難…小さな“列車の家”で生活も 侵攻から4カ月ウクライナの今(2022年6月23日)

800万人超が国外へ避難…小さな“列車の家”で生活も 侵攻から4カ月ウクライナの今(2022年6月23日)

800万人超が国外へ避難…小さな“列車の家”で生活も 侵攻から4カ月ウクライナの今(2022年6月23日)

ロシアによる全面侵攻から24日で4カ月となります。いまだ東部・南部で激しい攻防戦が続くウクライナですが、奪還した地域では住民が戻り始めました。ただ、問題は山積みです。

例えば、首都キーウ攻防戦の最前線だったイルピンでは、4000世帯が家を失いました。

イルピン市長:「町の50%以上が破壊されました。奪還の対価は大きかったです」

そんなイルピンの状況を憂い、鉄道会社が仮設住宅を作りました。寝台列車や食堂車を改造したもので、今はここで26人が生活をしています。

記者:「5つの車両が居住スペースになっています。シャワールームや食堂車両もあり、食事は無料です。WiFiや電気、水も無料で、休憩スペースもあります。24時間警備もされています」

メルニックさん(73):『いつまでも住んでていい』と言われました。冬までに家を建て直せなかったら、ここに住むしかありません」

◆現在の戦況

ロシア軍が制圧を狙う東部ドンバス地方。その情勢を大きく左右するとされるのが、ルハンシク州のセベロドネツクです。

アメリカのシンクタンクは「ロシア軍がセベロドネツク、リシチャンシク地域をすぐに占領する可能性は低い」と分析しています。

その一方で、ウクライナ軍が奪還したハルキウ州では、再びロシア軍が砲撃をしています。これはウクライナ軍の兵力を分散させる動きと見られています。

防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんは、こう着状態がしばらく続くと見ています。

兵頭慎治さん:「境界線での攻防が続き、こう着状態となっている。ウクライナが長期戦を戦うには、欧米のさらなる支援が必要。一方、ロシアが戦況を大きく変えるには、国家総動員しかないが世論の反発で踏み込めていない」

◆ウクライナの民間被害

ウクライナ国内では民間人に甚大な被害が出ています。OHCHR(国連人権高等弁務官事務所)によりますと、4634人が亡くなり、そのうち320人が子どもです。負傷者は5769人。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によりますと、国外へ避難した人は800万人を超えています。

また、ウクライナ側の発表では、ロシア軍は占領した地域から、約120万人のウクライナ人をロシアへ連行。そのうち、約24万人が子どもだとしています。

一方、ロシア側は約200万人を避難させたと主張していて、お互いの主張が食い違っています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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