【5歳児餓死】母親に「懲役5年」の実刑判決 裁判長「最低限の行動を放棄」 “ママ友”の影響は認定

【5歳児餓死】母親に「懲役5年」の実刑判決 裁判長「最低限の行動を放棄」 “ママ友”の影響は認定

【5歳児餓死】母親に「懲役5年」の実刑判決 裁判長「最低限の行動を放棄」 “ママ友”の影響は認定

2020年、福岡県篠栗町で、5歳の三男を飢死させたとして、保護責任者遺棄致死の罪に問われていた碇利恵被告(40)に17日、「懲役5年の実刑判決」が言い渡されました。裁判の焦点となった“ママ友・赤堀被告の支配の影響”について、裁判長は「被害者の側面がある」として、“赤堀被告による支配”を“犯行の主な要因”と認定しました。

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5歳の碇翔士郎くんは「ママ、ごめんね」と言い残し、息を引きとり、その体は、骨と皮だけだったといいます。

三男の翔士郎くんに、満足に食事を与えず餓死させたとして、保護責任者遺棄致死の罪に問われている母親・碇利恵被告(40)の裁判は17日、判決の日をむかえました。言い渡されたのは、“懲役5年の実刑判決”でした。利恵被告は、落ち着いた様子で裁判長を見つめていました。

この裁判の最大の焦点は、保護責任者遺棄致死などの罪に問われている共犯者のママ友・赤堀恵美子被告(49)からの“支配”の影響がどこまであったのか、ということでした。

赤堀被告は利恵被告に「ママ友があなた(利恵被告)の悪口を言っている」とウソで周囲から孤立させ、「あなた(利恵被告)の夫が浮気をしている」とウソで家庭を崩壊させ、「裁判に勝つためには、質素な生活をしなければならない」とウソの裁判をでっち上げ、利恵被告一家に質素な生活を強いていたといいます。実質的に一家を支配していたとみられています。

一家は、総額1370万円にのぼるとみられる金を搾取され、赤堀被告から与えられるわずかな食事のみで生活していました。

食事抜きの日も続き、翔士郎くんは激しい頭痛を訴えましたが、赤堀被告は、「頭痛いはウソやもんね」と利恵被告にLINEでメッセージを送り、許可が得られないと感じた利恵被告は、病院に連れて行くことはありませんでした。

検察側は、「子どもの生命と身体を守る、最低限の行動を放棄した」として、懲役10年を求刑していました。一方、弁護側は、「赤堀被告によってマインドコントロールされたような状態だった」として、執行猶予付きの判決を求めていました。そして、17日、言い渡されたのは、“懲役5年の実刑判決”でした。

判決理由で、裁判長は「被害者が餓死で亡くなったことは、あまりにむごいことと言える。被害者の命を守るべき、親としての責任を果たさなかったことに、一定の非難は免れない」と述べました。

さらに、利恵被告は7日の被告人質問で、「当時は赤堀被告をいい人と信じていた」と証言していましたが、判決では、利恵被告の“ある行動”が注目されました。

裁判長
「利恵被告はスマートフォンの中に、共犯者(赤堀被告)について、『恩着せがましい』『嘘つき』などと、非難する内容のメモを残したりしていた。自分で考えたり、判断したりする能力は残されている」

一方で、「共犯者(赤堀被告)から数々の嘘によって、経済的に搾取され、心理的にも支配されて、生活全般を共犯者から実質的に支配されていた被害者の側面がある」と、“赤堀被告による支配”を“犯行の主な要因”と認定し、「被害者の側面がある」として、「強く非難することはできない」としました。

最後、裁判長が読み上げたのは、残された長男と二男を気づかう裁判員のメッセージでした。

裁判員のメッセージ
「碇さんは、どこへ行っても母親であることに変わりありません。再び、息子さんの成長に寄り添える日が来ることを願っています」

利恵被告
「ありがとうございました」

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一方、判決で“共犯者”と呼ばれたママ友の赤堀被告は、自らの裁判では何を語るのでしょうか。赤堀被告の裁判期日は、まだ決まっていません。(2022年6月17日放送「news zero 」より)

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