仏独伊 ウクライナをEU“候補国”に NATOも軍装備で支援へ(2022年6月17日)
フランス、ドイツ、イタリアの3カ国がそろってウクライナをEU(ヨーロッパ連合)加盟“候補国”として支持する意向を表明しました。一方、ロシア軍はウクライナへの砲撃を強めていて、住民が避難できない状況が続いています。
ルハンシク州のハイダイ知事は16日、ロシアがリシチャンスクを空爆したとSNSに投稿しました。
空爆で住民が避難していた建物が破壊され、がれきの下から4人の遺体が見つかったといいます。
またCNNによると、ハイダイ知事は隣町セベロドネツクでアゾト化学工場に避難している住民がロシアの砲撃のため脱出できないと訴えています。
知事によると、避難しているのは子ども38人を含む568人。
食料の蓄えはあるものの、2週間、補給を受けていないとしています。
戦争の終わりが見えないなか、NATO=北大西洋条約機構は、ウクライナ軍の近代化を支援するとしています。
北大西洋条約機構・ストルテンベルグ事務総長:「我々はウクライナに対する包括的なNATOの支援パッケージをまとめ、ウクライナとNATOとの相互運用性を向上させるため、ウクライナの軍装備をソビエト時代の物からNATOの最新装備に置き換える」
支援パッケージは、今月末のNATO首脳会議で合意する見通しだといいます。
ウクライナの首都近郊にはフランス、ドイツ、イタリア、ルーマニアの首脳の姿がありました。
ウクライナ、チェルニショフ地域発展相:「戦争は2月24日ではなく2014年に始まったのです。以前からドンバス地方からの避難民がいました。そしてこの町には大勢避難しています」
激しい戦闘があったイルピンを視察したのです。
ドイツ、ショルツ首相:「罪のない市民が被害を受け、家は壊され、軍事施設など全くない町が丸ごと破壊された。破壊と征服に固執するロシアの侵略戦争の残虐性をよく表している」
視察後、ゼレンスキー大統領と会見に臨んだ各首脳たちが次々と口にしたのが、「ウクライナのEU加盟支持」です。
フランス、マクロン大統領:「我々はウクライナの即時EU加盟候補国としての立場を支持する」
イタリア、ドラギ首相:「イタリアはウクライナにEUに入ってほしい」
ドイツ、ショルツ首相:「ドイツはウクライナに対して前向きな決定に賛成する」
ゼレンスキー大統領は4カ国の訪問とEU加盟支持を歓迎しながらも、プーチン大統領と対話と重ねるマクロン大統領の姿勢に疑問を呈しました。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「単独でロシアの戦争をやめさせられる指導者が世界にいるのか疑問だ。団結こそが唯一ロシアを止める強い力になる」
今回の侵攻につながる2014年から続くロシアの軍事介入は、そもそもウクライナがEU入りを目指したことに端を発します。
ロシア安全保障会議副議長のメドベージェフ前大統領はツイッターで。
メドベージェフ前大統領:「ヨーロッパのカエル好き、レバーソーセージ好き、スパゲティ好きは意味なくキエフに行くことを好む。EU加盟と古いりゅう弾砲をウクライナに約束し、ウクライナ産ウォッカに酔いしれて、100年前のように列車で帰国した。だが、ウクライナを平和に近付けることはできない」
果たしてロシアは現実をどう評価しているのでしょうか。
プーチン大統領の出身地、サンクトペテルブルクでは15日からプーチン大統領肝煎り(きもいり)の国際経済フォーラムが開かれています。
国内外からロシアへの投資を促すものですが、常連だった欧米企業は姿を消しました。
一方、姿を見せたのはウクライナ東部の親ロシア派武装勢力、自称・ドネツク人民共和国のトップ、アフガニスタンのイスラム主義組織「タリバン」などです。
国際社会の断絶が鮮明になるなか、ロシアが理解者だとするのが中国です。
プーチン大統領と習近平国家主席は15日、電話で会談をしました。
この会談についてロシア政府は、「習近平主席はロシアが国益を守るために取った行動を正当だと認めた」と発表しました。
ただ、中国の発表では触れられていません。
中国外務省の会見:「(Q.習主席はそのような発言をしたのですか?)」
こう問われた中国外務省。
肯定はしませんでしたが、否定もしませんでした。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く