「他の幼虫に出会うと殺し合ってしまう…」生態研究で“絶滅危惧種”の繁殖に初成功(2022年6月16日)
兵庫県伊丹市にある「伊丹市昆虫館」で、絶滅危惧種の昆虫「フサヒゲルリカミキリ」の繁殖に全国で初めて成功しました。
遠足の小学生たちで賑わう伊丹市昆虫館。カブトムシやチョウに混じり注目を集めるのが「フサヒゲルリカミキリ」。名前が示す通り、長い触角にはよく目立つ“ふさヒゲ”があります。山焼きなどの管理がされた草原に生息する昆虫で、かつては日本の広い範囲に生息していましたが、開発などで草原が減る中で徐々に姿を消し、今では岡山県の蒜山高原の一部に100匹ほどしか生息していないといいます。
そんな「フサヒゲルリカミキリ」を絶滅させないために立ち上がったのが伊丹市昆虫館でした。
(伊丹市昆虫館・学芸員 田中良尚さん)
「まず飼い方がまったくわからなかった。生態がわからなかったんですね」
生息地に何度も通い生態を把握するところから始めた繁殖チーム。その結果、思わぬ生態がわかったといいます。
(伊丹市昆虫館・学芸員 田中良尚さん)
「他の幼虫に出会うとすごい噛み合いをして殺し合いをするんです。まとめ飼いができないのが手間がかかるところなんですね」
そこで幼虫は1匹ずつ分けて飼育するように工夫。また植物の鮮度が少しでも落ちると幼虫が死んでしまうため、エサとなるユウスゲの栽培も始めました。
こうして今年5月、国内の施設では初となる飼育下での繁殖に成功したのです。
(伊丹市昆虫館・学芸員 田中良尚さん)
「元気な成虫が出てきたこと、羽化してきたことというのはすごく嬉しかったですね。安堵・安心したというのが大きかったですね」
「フサヒゲルリカミキリ」は6月20日まで展示される予定です。
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