ロシア版マック「おいしい。」は大盛況 「ロシアの日」プーチン大統領の演説に変化(2022年6月13日)

ロシア版マック「おいしい。」は大盛況 「ロシアの日」プーチン大統領の演説に変化(2022年6月13日)

ロシア版マック「おいしい。」は大盛況 「ロシアの日」プーチン大統領の演説に変化(2022年6月13日)

 ゼレンスキー大統領が激戦が続くウクライナ東部の戦況の見通しを示し、「ロシア軍は4万人以上の兵力を失うことになる」と警告しました。一方で、プーチン大統領は建国記念日にあたる「ロシアの日」の式典で演説を行い、戦争について語りながらも「ウクライナ」については触れませんでした。その真意はどこにあるのでしょうか。

 12日、ロシアでオープンしたマクドナルドの代替え店。その名も「フクースナ・イ・トーチカ」。ロシア語で「おいしい。ただそれだけ」という意味です。

 ロシア各地で15店舗がオープンし、首都モスクワの店では数百人の行列ができました。

 男性客:「この歴史的な瞬間を記憶にとどめようと思います。マクドナルドの再開はキリストの再臨のようです」

 女性客:「一番大事なのはクオリティーが変わらないということ。私は32年前の(マクドナルド1号店)開店日にここにいましたが、その頃から何も変わっていません」

 クオリティーは変わらないということですが・・・。

 マクドナルドの本場、アメリカCNNの記者もロシア版に挑戦。

 CNN、フレッド・プレイトゲン記者:「『マックナゲット』に似ているナゲットです。味はマクドナルドと全く同じですね」

 マクドナルドに代わる店がオープンしたのは、6月12日の「ロシアの日」という祝日。ソ連の崩壊後、その構成国の一つだったロシアが単独で独立した日を記念した日です。

 そのメインイベントとも言える、プーチン大統領の演説。ここで、ある変化とも言える兆しが生まれていました。

 ロシア、プーチン大統領:「皆さん『ロシアの日』おめでとうございます。私たちの国に捧げられた幸せな国民の祝日です。国の歴史に誇りを持って未来を信じる。今だからこそ、私たちはどれだけ団結力が重要かということがよく分かります」

 国民の愛国心を呼び覚まし、団結を訴えるプーチン大統領。

 ロシア、プーチン大統領:「我々の祖先の勝利と実績を誇りに思う。常に前を向き、国の発展のために新しいことを発見し、争いのなかでも国を守り、そして世界にロシアの相応の価値を示してくれた」

 軍事的勝利に関しては演説で触れたものの、「ウクライナ」という言葉が発せられた場面は一切ありませんでした。

 ロシア情勢に詳しい拓殖大学の名越健郎特任教授は、プーチン大統領の思惑をこう分析します。

 拓殖大学・名越健郎特任教授:「プーチン大統領は5月以降、ウクライナ侵攻について触れることはほとんどない。5月9日の戦勝記念日に世界が注目したが、結局、出口戦略を示さなかった。当面話すような内容がない。プーチン大統領は国民が戦争について忘れることを望んでいるのではないか」

 名越教授によると、プーチン大統領としては現在の高い支持率を維持したまま、ロシア国民には日常を重視してほしいと考えているのではと話します。

 ロシアの独立系調査機関の調べでは、ウクライナ情勢に対するロシア国民の関心は、月を追うごとに失われつつあるのが分かります。

 そんななか、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア軍が、激戦の続く「東部ドンバス地方に予備役を配置しようとしている」と明らかにしました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「(ロシア軍は)訓練不足の兵を戦地に投入しようとしている。彼らは自分たちの兵を大砲の餌(えさ)としてしか見ていない」

 ゼレンスキー大統領が「ロシア軍は6月だけで4万人以上の兵力を失う」と見解を示すほど戦況に関し、国民の目をそらせることができるものなのでしょうか。

 拓殖大学・名越健郎特任教授:「それはないですね。特にエリートの間では戦争に対する不満が出ている。元軍人あたりがずさんな作戦を批判したり、オリガルヒ(新興財閥)からは戦争長期化で経済が打撃を受けていると。これから批判が出る可能性がある」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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