“重い行政処分”下した理由は?スシロー“おとり広告”で措置命令 スタジオ解説(2022年6月9日)

“重い行政処分”下した理由は?スシロー“おとり広告”で措置命令 スタジオ解説(2022年6月9日)

“重い行政処分”下した理由は?スシロー“おとり広告”で措置命令 スタジオ解説(2022年6月9日)

回転ずしチェーン『スシロー』は去年9月から12月にかけて、期間限定商品を提供していない期間があったにもかかわらず、キャンペーン広告を出し続けていたとして、消費者庁から再発防止の措置命令を受けました。

公正取引委員会:「キャンペーン期間を通じて、3種類の寿司を購入できるかのように一般消費者を誤認させる恐れがあった。『おとり広告』に該当する」

“豪華かにづくし”のキャンペーン商品を提供できない期間があった店のリストを見ると、北海道から沖縄まで583店舗。キャンペーンを行った全店舗の96%にあたります。

なぜこんな事態に陥ったのでしょうか。例えば、このカニのすしについて、スシローを運営する『あきんどスシロー』は、こうコメントしました。

あきんどスシロー:「販売予想量として十分な在庫を用意しておりましたが、お客様より予想をはるかに上回るご愛顧をいただいた結果、早期に完売する店舗が発生してしまいました」

ところが、先ほどのリストを見てみると、本社のおひざ元、大阪の店舗では完売するはずがないキャンペーン初日の開店から商品を販売していなかったようです。

この件について、スシロー側は「調査中」と回答していて「再発防止に努めてまいります」とコメントしています。

公正取引委員会:「今回の不当表示を行った事業者が、シェアで業界1位ということを考えると、本件の不当表示が一般消費者に悪影響を与えた程度は非常に大きなものであった」

2021年11月26日~12月12日に行われた『冬の大感謝祭 冬のうまいもん』キャンペーンでは、初日から複数の店舗で商品を提供できない事実があったとして、公正取引委員会は「全期間で違反があった」としています。

(Q.ホームページや店舗で「完売の場合も」と掲載していましたが、斟酌されませんか?)

調査を公表した消費者庁と公正取引委員会に聞くと「店舗によって完売している場合があると言っても、どの店が完売しているのかわからない。また、消費者は自分が行く店舗が完売していない可能性もあると考えて、店に行ってしまう場合もある」「実際に9割の店舗では販売していなかった。結果的に“店舗により完売の場合がある”と表示を加えたとしても、広告全体を見ているので“おとり広告”にあたるということについて変わりがない」ということです。

(Q.とても厳しい措置命令という行政処分に至った理由は何ですか?)

消費者庁と公正取引委員会は「景品表示法の考え方としては、表示の通りに提供しないといけない。スシローはその認識が足りなかった」としています。一方で、消費者に対して「こういった場面に遭遇して『しょうがないね」ではなく、消費者庁・公正取引委員会などに情報提供してもらいたい」としています。

こうした判断について、景品表示法に詳しい染谷隆明弁護士は「大手回転ずしチェーンの『スシロー』が、広くおとり広告を行えば、消費者に与えた影響も大きい。回転ずし業界の公正な競争の観点からも、今回の表示が問題があるとみたのでは」と話しました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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