「ナマズ養殖」村人に投資話も インドネシア潜伏先を緊急取材・・・“10億円詐取”男逮捕【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年6月9日)
家族ぐるみで、およそ10億円に上る持続化給付金をだまし取ったとされる事件で、父親の谷口光弘容疑者（47）が8日、逃亡先のインドネシアで逮捕されました。谷口容疑者は、現地の住民に対しても、投資話を持ち掛けていたということです。
■背中に「勾留中」・・・容疑者“強制出席”異例の会見
8日午後、インドネシアの入国管理局の担当者が会見の準備をしていると、オレンジ色の服を着た谷口容疑者が、関係者に誘導され、会見席の横へと移動します。
報道陣に背を向けた状態で、関係者が離れると、そのまま会見が始まりました。
インドネシア・入国管理局：「2022年6月7日火曜日22時30分、西インドネシア時間に、我々は日本国籍被疑者の身柄が、関係当局によって確保されたとの通報を受理しました。捜索対象の日本国籍被疑者氏名のイニシャルは、MTです」
後ろを向いたまま、うつむきながら、会見を聞く谷口容疑者。背中には、インドネシア語で「勾留中の外国人」と書かれています。
一方、下の服はアロハ柄のハーフパンツで、かなり日焼けしているように見えます。
インドネシア・入国管理局：「被疑者が所有する旅券は、日本政府によって、すでに無効化されています。在インドネシア日本大使館の代表者は、その際、日本国籍の被疑者はランプンに滞在しているとの見方を示しました」
谷口容疑者は、家族4人を中心としたグループで、およそ10億円にも上る“過去最大規模”の持続化給付金をだまし取ったとされる事件のリーダー格です。
日本政府が去年、旅券を取り消していたため、不法滞在の容疑で現地警察に逮捕されたのです。
インドネシア・入国管理局：「外国籍被疑者の最終潜伏地域滞在期間は1週間ほどであり、地域住民に対し、投資話を持ち掛けていたとのこと。特に、漁業・水産分野の投資話」「エビ養殖だと・・・」
■スマトラ島 農村に潜伏・・・村長語る“逃亡生活”
谷口容疑者が逮捕されたのは、インドネシアのジャカルタから、およそ250キロ離れたスマトラ島南部に位置するランプン州のカリレジョという村です。
中心部は、小さな商店がずらっと並んでいるような町です。バイクがたくさん行き交っています。トラックなども通っていますが、道は舗装されていないようです。
繁華街とは程遠い、のどかな風景が広がる街並み。さらに進むと、小さな古びた家が並んでいます。舗装されていない小道がずっと続いています。
谷口容疑者が逮捕前に寝泊まりしていた家は、古びた平屋で、車が3台止まっています。
家の脇には、水の張った生け簀（す）のようなものが、いくつもあり、よく見ると、多くの魚が泳いでいます。
自然豊かな村で谷口容疑者は、エビやナマズなどの水産関係の投資を考えていたのでしょうか。潜伏していた村の村長に、話を聞くことができました。
谷口容疑者がいた村の村長：「彼は、村に居住しているわけではない。せいぜい1泊して、翌朝には出発した」「（Q.よくこの村に寄っていたのですか？）2回だ。私たちの間では、彼は商売・ビジネスをしに来たと思っていた」
現地の人たちに話を聞くと、こんな証言がありました。
■スマトラ島 潜伏先で「ナマズ養殖」 投資話も・・・
養殖ビジネスに勧誘された住民：「私と私の友達に、ナマズを養殖したら、委託料を払う話を持ち掛けてきた。自分のような下請けは、100万ルピアをもらうことになっている。一つの池で、2万5000匹を飼うことになっている。私が持ち掛けられたのは、400万ルピアをもらう話だった。ナマズが成長すれば、育ったナマズを日本に送るということだ。今、まだ魚を育てている段階なので、お金はまだもらっていない」
指名手配されていた谷口容疑者は、潜伏先の住民にナマズ養殖のビジネス話を持ち掛けていたといいます。
現地報道現地メディアによると、この部屋を貸していたのは、地元で教師をしながら、漁業関係の仕事をしている男性で、先月に男性の友人がスマトラ島の北西部にあるパダンという町へ、魚を出荷しにいった時に、谷口容疑者と知り合い、「漁業関係の投資」を持ち掛けられたといいます。
友人は帰ってきた後、その投資話について、男性に報告。すると、先月下旬、男性の元へ谷口容疑者がやってきたため、部屋を貸したといいます。
7日の早朝、再びこの部屋へとやってきた谷口容疑者。すると・・・。
谷口容疑者がいた村の村長：「昨晩22時30分、現地の入国管理局が、村人の家に滞在している日本人の被疑者を迎えに来た」
現地メディアが掲載したイラスト。黄色い服を着たマスク姿の男が谷口容疑者で、腰に手錠をぶら下げていているのは、警察官とみられます。キラリと光る手錠におびえる、谷口容疑者が描写されています。
■容疑者“逃亡前”・・・六本木で「石油投資話」持ち掛け
不法滞在の疑いで、逮捕された谷口容疑者。4年前、東京・港区の居酒屋で撮影された谷口容疑者の写真です。
このころ、東京・六本木周辺で、多くの人にインドネシアでの投資話を持ち掛けていたといいます。
谷口容疑者に石油事業を持ち掛けられた男性：「インドネシアの石油がらみで投資してくれと・・・。現地の政治家と写ってる写真を見せられて、見ても誰か分からないし・・・」
谷口容疑者の知人：「谷口さんは不動産・酒・太陽光発電・オイル等への投資をされているとのことで。インドネシアでは、オイルを採掘していること、趣味の釣りの話などです」
家族ぐるみで、およそ10億円にも上る持続化給付金をだまし取ったとされる谷口容疑者。
谷口容疑者：「国の制度には抜け穴がある。名前と簡単な書類を用意すれば、すぐに金がおりる」
関係者によると、谷口容疑者はこの事件で、6000万円近くを手に入れたとみられます。
■“10億円詐欺”容疑者“強制出席”呼び掛けに無言
8日に行なわれた会見の終了直後・・・。
「谷口さん、今どのような気持ちですか？」
「谷口さん、不正の認識あったんですか？税金でしたけど、不正の認識あったんですか？ご家族、逮捕されていますが、何に使ったんですか？」
終始、無言で会見場を後にした谷口容疑者。今後、インドネシア当局による司法手続きを経て、日本に送還される予定です。
（「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年6月9日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
