【新しい資本主義】政府 実行計画を決定 銀行に預けっぱなしの「貯蓄」を「投資」に

【新しい資本主義】政府 実行計画を決定 銀行に預けっぱなしの「貯蓄」を「投資」に

【新しい資本主義】政府 実行計画を決定 銀行に預けっぱなしの「貯蓄」を「投資」に

政府は7日、日本を成長させる方策として「新しい資本主義」の実行計画を決定しました。その中には「貯蓄などで眠っているお金を投資に回す」といった内容が…。一体どういうことなのか、「新しい資本主義」の策定にも関わった、筑波大学准教授の落合陽一さんに話を聞きました。

■平均貯蓄1880万円 2002年以降で最多
有働由美子キャスター
「1880万円。2人以上の世帯の平均貯蓄額です。もちろんこれ、貯金ゼロの人から、何億円ももってる人まで、全部おしなべて平均した額なんですが、実は、2002年以降で最も多くなっているんです。で、『この貯蓄を投資に使いましょうよ』ということを政府が打ち出しました」

■「新しい資本主義」実行計画とは?
小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク
「日本を成長させる方策として、『新しい資本主義』の実行計画を7日、政府が決定したんです。その中で記されていることなんです。『家庭のお金、ほとんど貯蓄に回っているために経済の活力につながらない』といわれています」

「じゃあどうする?この眠っているお金を成長が見込める企業に投資すれば、企業の活動が活発になり、経済が活性化するし、恩恵がまわりまわって家計に戻ってくる。こうした循環を促す方策として、少額投資非課税制度(NISA)を広げていこう。そして個人の資産を豊かにする方策として、私的年金制度のiDeCoをしっかり構築しよう』という計画なんです」

■政府「科学技術」「起業」などへの投資「官民一体で」
有働
「それはわかるんですけれども、『投資しようと思っても投資するお金がないのよ』っていう方も多いですよね」

小野
「たしかにですよ、貯蓄高の平均1880万円っていいますけれども、たくさんもっている人に引っ張られている数字なんですよね。若い世帯の家ではそんなにないですよ。住宅費や教育費に追われるという現状もあります」

「一方で政府は今回、さまざまな分野で投資を活発にしていきたいとしているんですね。転職やキャリアアップのために、今後3年間で国が4000億円規模の予算を投じる計画です。さらに『科学技術』ですとか、『起業』、『環境』、『デジタル化』、こういうところに積極的に投資していこうということなんです。それを『民間の力だけでなくて、官民一体で進めていきましょう』ということなんです」

■“投資マインド”になるには
有働
「落合さんは『新しい資本主義』の策定にも関わっていらっしゃいますけれども、個人が投資にお金を使う、それから企業が設備投資にお金を使う、そういうマインドにするにはどうしたらいいんでしょうか?」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「企業体と個人ではやはり考え方がちょっと違いますけど、みなさんが現金をどうやってもってるかっていうことだとは思います。『貯金だとインフレですごく目減りしているけど、大丈夫ですか?』っていうのを、みんなちゃんと確認しているのかなっていうのはちょっと気になっています」

「例えば、iPhoneの値段って、アメリカのインフレもあると思いますけど、この10年で3倍くらいになってますよね。国内は物価がある程度据え置きですけど、それに引っ張られて、現金の価値が目減りしていると思うんですね」

有働
「それはすごい実感しているんですけど、じゃあ増やすにはどう考えればいいのか?」

落合
「貯蓄額の話もありましたが、『寝てる間に資本を増やす』ってことで、昔は銀行にみなさん預けていたわけではないですか。その世代がたぶん銀行に預けっぱなしになっているっていうのが一つ大きな問題で。あの時代はもう終わってしまったので、たぶんいまは一人一人が自分がわかる資産。例えば、ビットコインもつ人もいれば、金塊をもつ人もいれば、ぼくだったらレンズもってたりしますけど。そうやって、貯金だけじゃなくて、ほかの現物資産とか、例えばNISAとかでもいいんですけど、『分散させてもつことがやはり必要なんだ』ということを、みんなに理解いただくためのメッセージが必要なんじゃないか」

有働
「その貯蓄を回せるという方はいいんですけど、回すお金もないっていう方は、どう増やしていけば」

落合
「目減りする前に処分しないといけない財産があるんじゃないかなと」

有働
「例えば?」

落合
「例えば、このままほっとくとボロ屋になるお家とか、維持コストがものすごくかかるようなものとかを今後、投資に回せるような資産に変換するっていうのは早めにやっておいて損はないことだとは思います」

有働
「私たちの生活に関わる大切な話ですので、これからも落合さんと考えていきたいと思います」
(2022年6月7日放送「news zero」より)

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