戦禍の母国に喜び贈る!ウクライナ代表、W杯出場かけ決戦へ(2022年6月5日)

戦禍の母国に喜び贈る!ウクライナ代表、W杯出場かけ決戦へ(2022年6月5日)

戦禍の母国に喜び贈る!ウクライナ代表、W杯出場かけ決戦へ(2022年6月5日)

 ロシアの軍事侵攻に苦しむウクライナにとって希望の光となっているのがサッカー代表の活躍です。ワールドカップ出場をかけ、日本時間の6日未明に絶対に負けられない戦いに臨みます。

 ウクライナが勝てば2006年のドイツワールドカップ以来16年ぶりの出場となります。一方、ウクライナ国内ではロシアによる攻撃は続いています。

 ゼレンスキー大統領は東部のドネツク州にある修道院がロシア軍の攻撃を受け全焼したと発表しました。

 修道院は歴史的建造物で住民が避難していたといいます。

 南部のミコライウ。攻撃は一般の住宅へも続いています。

 マンションに砲弾が当たり、火災が発生したといいます。

 そして、ミコライウの人々を苦しめているのが水です。

 高齢者から子どもまで・・・。

 大勢の人が並ぶ列の先にあるのはボランティアが支援する水。実は、ミコライウでは4月12日に水道管が攻撃で破壊されて以来、水道が使えない状況だというのです。

 ライフラインへの攻撃が人々に深刻な影響を与えています。

 ワールドカップヨーロッパ予選からロシアが追放された腹いせなのでしょうか・・・。ウクライナ東部のハルキウに本拠地を置くプロサッカーチームは4日、ロシア軍によるミサイル攻撃を受けたと発表しました。

 ミサイルはトレーニングセンターの敷地内に到達し、5メートルの深さのクレーターを残したといいます。

 爆発威力は非常に強く、建物のほぼすべての窓が割れ、新シーズンに向けて購入した機器の一部も破壊されたということです。

 ウクライナは2月に国内すべてのサッカー活動が停止。当初3月に予定されていたプレーオフも延期され、その後も終戦のめどが立たぬなか、代表チームはようやく5月に合宿を行いました。

 ウクライナ代表・ジンチェンコ選手:「皆戦争が終わることを夢見ています。サッカーでも夢があります。それがW杯出場です。その喜びをウクライナ国民に贈りたいのです。このとてもつらい時期に」

 ジンチェンコ選手は、つらい時期だからこそウクライナ国民に喜びを贈りたいと涙ながらに語りました。

 ウクライナ人:「この勝利は必要です。今、ウクライナは侵略者と戦争中です。ウクライナの東と南にいる軍人やウクライナ国民を元気付けるため、重要な勝利になる」「我々の勝利のためではなく、全世界の勝利になると思う。たくさんの国々から応援を頂いている。日本からの応援も期待しています」

 試合が行われるウェールズには多くのウクライナ人サポーターが駆け付けています。

 ウクライナ人:「ウクライナに優勝してほしいです。ウクライナ人皆のために優勝してほしい」「(Q.試合はあすですが、もう来ているんですね?)選手に会えるかもしれないし、写真も撮れるし選手たちと話せるかもしれないから。日本にも、日本国民にも感謝しています。応援してくれてありがとう」

 ウクライナにとってはアウェーでの試合。しかし、様子はいつもと違うようです。

 ウェールズのサポーター:「本当はウェールズに勝ってほしいけど、初めてウェールズが負けてもいいと思っている。ウクライナに勝ってほしい。彼らは勝者になるべき」

 それでも真剣勝負には変わりはありません。

 ウェールズサポーター:「ウクライナが出場できなければ残念でしょうが、ウェールズもW杯には1950年代を最後に出場できていない。ウェールズが勝つことを願っている。全力を尽くすべきだ。ウクライナには幸運を祈っている。今、起きていることはひどいことだ」

 もちろん、ウクライナ代表もタダでワールドカップの切符を譲ってもらうつもりはありません。

 ウクライナ代表・カラバエフ選手:「現在の状況はご存じだと思いますが、スポーツはスポーツです。戦争中だからとはいえ、ウェールズからの“プレゼント”や“不当な勝利”をチーム全員が期待していません。スポーツのルールを守り必ず勝利します」

 ウクライナ代表・ペトラコフ監督:「皆がサッカーを見ているわけではない。“自分の悲しみ”があるから。毎日、人が亡くなっているなかでサッカーのことは考えないだろう。私たちは応援してくれる人や兵士をどう幸せにするか考えている。ゲームに集中して頑張る」

 ウクライナ代表、悲願のワールドカップ出場まであと1勝です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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