給付金詐欺 今度は2億円“税の番人”が・・・摘発相次ぎ 弁護士に相談「100人以上」(2022年6月3日)

給付金詐欺 今度は2億円“税の番人”が・・・摘発相次ぎ 弁護士に相談「100人以上」(2022年6月3日)

給付金詐欺 今度は2億円“税の番人”が・・・摘発相次ぎ 弁護士に相談「100人以上」(2022年6月3日)

 今度は、“税の番人”が逮捕されました。コロナ対策の給付金を狙った詐欺事件。摘発が相次ぎ、最近、弁護士の元には、給付金を不正に受給した人が「返したい」と相談するケースが増えています。

■約200人に“虚偽申請”・・・詐欺総額は“2億円”

 相次ぐ持続化給付金の詐欺事件。新たに逮捕されたのは、現役の国税局の職員でした。

 警察官の後ろをうなだれながら歩くのは、横浜市内の税務署に勤務する塚本晃平容疑者(24)。そして、不動産会社の会社員・佐藤凛果容疑者(22)ら合わせて男女7人です。

 塚本容疑者と佐藤容疑者は、顔を合わせたことはありますが、連絡を取り合う関係ではなかったといいます。

 一体、どのような組織だったのでしょうか。

 塚本容疑者らのグループでは、10代から20代の若者を中心に「給付金を投資すればもうかる」などと勧誘し、代理でうその申請を繰り返していました。

 「暗号資産に投資すれば、個人事業主となるので、コロナ対策の持続化給付金がもらえる」

 塚本容疑者らはおととし、詐欺グループの仲間と共謀。埼玉県の当時17歳だった少年が、コロナで収入が減った個人事業主であると装い、持続化給付金100万円をだまし取った疑いが持たれています。

 他にも、およそ200人に虚偽の申請をさせ、詐欺の総額は2億円に上るとみられています。

■“税の番人”国税職員ら “抜け穴”悪用か

 市民から税金を徴収する立場だった国税局職員の塚本容疑者。グループでは、どんな役割を担っていたのでしょうか。

 元大阪地検検事・亀井正貴弁護士:「国税局の人がいるという、安心感を与えることができる。信用の基礎にはなるということでしょうね。違法性が消えるわけでしょう。公務員がいるから、変なことではないだろうという信用にはつながりますよね」

 詐欺グループは主犯格の「指南役」3人のほか、「書類作成役」「申請役」など、それぞれ役割が決まっていました。リーダーは、30代の男。現在も、ドバイに逃亡しています。

 税務署の事務官だった塚本容疑者は、偽の確定申告の書類作成を担当。これまでに20万円を報酬として受け取っていたとみられます。

 税金の番人という立場にありながら、税の抜け穴を悪用したとみられる塚本容疑者。国税局の職員たちは・・・。

  国税局職員:「(Q.給付金詐欺について一言)・・・」

 困窮する人に配られるはずの給付金の不正受給。先月30日には、家族ぐるみの詐欺グループが逮捕され、持続化給付金およそ10億円近くをだまし取ったとみられています。

 元大阪地検検事・亀井正貴弁護士:「(警察が)検挙することによって、社会的に注目を受ける形にして、給付金の不正受給は詐欺ですと、重大犯罪ですよということを知らしめる。広報の効果がでかい」

■“逮捕報道”見て・・・弁護士に相談「100人以上」

 経済産業省は、申請条件を満たさず、不正受給した人に対し、自主返還を強く求めています。

 弁護士の元には、不正に給付金を受け取ったという相談が相次いでいます。

 給付金の不正受給に詳しい 上原幹男弁護士:「逮捕の報道を見て、不安になって、相談頂くのは多い。これまで100名以上が問い合わせにきて。『自分がやったことは詐欺にあたるのか』などの相談ケースが多い。相談は、若い方がほとんどです。『グレーだから大丈夫』という言葉にのってしまう。知識経験の少なさが反映されていると思う」

 経済産業省によると、不正受給の自主返還は、先月26日時点で、およそ1万5000件。総額は、166億円に上るということです。

 取り調べに対し、塚本容疑者は黙秘。一方、佐藤容疑者は、次のように話しているということです。

 佐藤容疑者:「申請に関わったが、不正受給と知らなかった。報酬は一切、受け取っていない」

 指南役の男に誘われたから手伝ったと、容疑を否認しています。

(「グッド!モーニング」2022年6月3日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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