射程80kmのロケット砲 米提供「ハイマース」戦況を変える?(2022年6月2日)
ウクライナについて、戦線では大きな動きがありました。
東部のセベロドネツク州では8割が占領され、南部のへルソン州ではウクライナが反撃を続けるなど一進一退が続きます。
動いたのはアメリカです。
アメリカ、カール国防次官:「国防総省は『ハイマース』システムを配置し、ウクライナに迅速に提供できるようにしました」
空へ一直線に飛ぶミサイル。
高機動ロケット砲システム「ハイマース」です。
ゼレンスキー大統領も提供を強く望んでいました。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ロシア軍を撃退し、戦争犯罪を止める手段が必要です。ハイマースもです」
一番の特徴は、その機動性です。
軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「他の機材で引っ張るとかではなく、トラックの上に据えられていて迅速に移動できる」
ロシアのミサイルとは精度も違うそうです。
軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「ハイマースの方が圧倒的に精度が高い。ロシア側は撃ってもなかなか当たらない。ハイマースはGPS(全地球測位システム)で照準できる」
りゅう弾砲は射程が30キロほどですが、ハイマースの射程は70キロから80キロ。距離の上でも優位に立てます。
元駐ウクライナ米大使、ウィリアム・テイラー氏:「現在ウクライナ軍はロシア軍にかなり接近しなければロシア軍を攻撃することができません。新しい兵器が入れば、もっと遠くから攻撃を行うことができるようになります」
アメリカの武器供与。ロシアは怒っています。
ロシア、ペスコフ大統領報道官:「アメリカはわざと火に油を注いでいる」
ただ、アメリカも熟慮のうえの供与です。
アメリカ、ブリンケン国務長官:「ウクライナは、これらのシステムをロシア領内の目標に対して使用しないという保証を与えている」
アメリカ、バイデン大統領:「ロシアを攻撃できるロケットシステムをウクライナに提供するつもりはない」
ロシアへの配慮をにじませる軍事支援。
300キロ飛ばせる弾薬の供与は見送ったということです。
例えばへルソン州からなら80キロならこの射程ですが、300キロとなるとロシアが一方的に主権を主張するクリミア半島全体を射程に収めます。
軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「もちろん(射程)300キロのが来ればそれなりに強化になるが、6連装の80キロだけでもかなりの強化になりますのでよかった」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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