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「批判も封じる強権さ」上海“ロックダウン”解除 現地記者が2カ月で感じた中国(2022年6月1日)
人口2500万人を対象に行われた中国・上海のロックダウンが解除されました。
上海でロックダウンが始まったのは3月28日。前日には、買いだめをしようとスーパーに客が殺到。当日、あちこちにバリケードが立てられました。
当初は4月5日までの予定でしたが、5日の感染者は1万7000人超え。その後も感染者は思ったように減らず、ロックダウンの期間は延長されました。
3月28日の時点では上海市東部などの一部が対象でしたが、4月1日になると全土に拡大します。それが6月1日、感染者が確認された一部の地域を除き、ほぼ解除されました。
ただ、まだ感染対策は厳しく、地下鉄では、構内に入るにも72時間以内の陰性証明が必要です。
60日間という失われた時間は、中国経済にも大きな打撃を与えました。上海市だけでみると、4月の工業生産額は6割を超える減少です。
上海には日本企業も進出しています。桂川精螺(せいら)製作所では、バイクや空調設備に使うネジを上海の工場で製造し、インドネシアなどへ輸出しています。しかし、ロックダウンの影響で、工場は操業停止の危機に陥りました。
ところが、社員1人が工場のソファで寝泊まりし、カップラーメンでしのぎながら、通常の3割程度で稼働を続けられたといいます。
桂川精螺製作所 国際事業推進室、東邦彦成室長:「1人作業員が工場の中に“閉じ込められて”3カ月ちょっとぐらい、ずっと工場内で作業していました。(Q.1人作業員が工場にいた?)そうですね。ロックダウンは急に通達されまして」
元に戻るまでは、1カ月ほどかかる見込みですが、それでも不安は尽きません。
桂川精螺製作所 国際事業推進室、東邦彦成室長:「(上海工場の)生産は、社内工程では100%に戻っても、物流はまだ完全に回復していない。結構、時間がかかると思う。例えば今回みたいな上海市の全体的なロックダウンじゃなくても、小規模のロックダウンも十分考えられるので心配している」
◆上海支局の高橋大作支局長に聞きます。
(Q.ロックダウンでやせましたか?)
高橋大作支局長:「はじめの3週間ほどで食料が尽きかけた時がありました。配給で米や野菜は豊富に届いていましたが、お肉などのたんぱく質が手に入らない状況でした。それを時に最高で4キロ弱痩せました。今は食料が手に入っているので、そこから2キロほど太りました。今日一日取材をして非常に疲れを感じていて、体がなまってしまったと感じています」
(Q.解除初日を取材して何を感じましたか?)
高橋大作支局長:「2カ月ぶりに“出勤”をして、それだけでジーンと来るものがありました。地下鉄は朝の通勤時間に乗りましたが、乗客はいつもの2分の1くらいでした。それでも上海は2500万人が暮らす大きな街なので、結構乗っているな、6月1日から出勤するんだと驚きました。そして、これだけの方が2カ月間、隔離されていたことにも驚きました。
街の姿も大きな変化がありました。10分歩くごとに、仮設のPCR検査場ができています。ここで3日に1回はPCR検査を受けないと、コンビニにもオフィスにも入れず、地下鉄にも乗れず、何もできなくなります。PCR検査場に行くのがこれからの日常になります。
高級百貨店の前には、椅子が並べられて、凝り固まった上海市民をもみほぐす“青空マッサージ屋”がありました。そのマッサージ屋は営業を許されていないので、上海の皆さんに感謝するために、1日は外でマッサージをしていると話していました。大都会の屋外で商売をするのは今までなかったので、ロックダウンがなければなかった光景も見ることができました」
世界の港湾別に見たコンテナの取り扱い数は、上海は他の都市を大きく引き離して、断トツの世界1位です。日本企業が拠点を置く海外の都市でもトップは上海ということもあり、ロックダウンは日本経済にも大きな影響を与えました。家電、特にこれから必需品のエアコンについて、各社に状況を聞きました。
三菱電機:「1日からエアコンの製造を再開。今後、段階的に通常の状態に戻していく」
シャープ:「上海工場でエアコンや洗濯機を生産。4月上旬から生産停止してきたが、5月上旬から順次再開」
富士通ゼネラル:「上海工場でルームエアコンを生産。6月中旬のフル稼働を目指す」
小売店でも心配しています。東京・中野区の『光明電機』高野亨社長によりますと、新製品の入荷がない分、今まで在庫で凌いできたといいます。ただ、例年6~8月は年間の6割分を売り上げるということで「梅雨明けには入荷してほしいが」とコメントしています。
実際に日本に製品が来るのはいつになるのか。JETRO(日本貿易振興機構)上海事務所によりますと、多くの工場では8~9割の従業員を確保していて、週明けにはほぼフル操業に戻るということです。ただ、ロックダウン前まで製造や出荷が戻るかは、物流やサプライチェーンの回復次第だとしています。
(Q.まだ企業活動に支障は残りそうですが、現地の方々は現状をどう見ていますか?)
高橋大作支局長:「現地で工場を営んでいる担当者の方に何人も取材をかけましたが、『今は取材に答えているような場合じゃない。大変なんだ」という答えが返ってきました。そのなかでも、匿名を条件に取材に応じた大手家電メーカーの部品を作っている方は「ロックダウンは解除されたが、感染対策のために、オフィスや工場に従業員を集める時に、すべてのスタッフの3~5割に制限するよう通知を受けている。社員を全員集めるのに1カ月かかる。ロックダウン前のように工場を稼働させるためには、半年以上かかるんじゃないか』と打ち明けてくれました」
(Q.2カ月のロックダウンを通じて、中国という国をどう感じましたか?)
高橋大作支局長:「目的のために、中央政府が決めたことは、絶対に完遂するということがありました。初めの1カ月はとにかくコロナを抑える。5月に入ってからはゼロコロナに対する批判さえも封じ込める強権さを感じました。きょうはお祝いムードもありますが、一方で悲観的な声もあります。『これでおめでとうとは、どんな冗談なんだ』『この2カ月の間に、どれだけの人が失業したのか、家賃を滞納したのか分かっているのか。政府には謝ってほしい』という反発の声も上がっていました」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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