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原型留めるも・・・原因解明のポイントは 観光船『KAZU I』事故後初めて海面上に(2022年5月26日)
曳航(えいこう)中に水深182メートルの海底まで落下した知床観光船『KAZU I』の引き揚げ作業が行われています。
引き揚げに向け、作業が始まったのは26日午前8時前。無人潜水機が『KAZU I』が沈む、水深182メートルの海底に向かいました。
海中では、つり上げ用の黄色いフレームと『KAZU I』の船体をスリングと呼ばれるベルトで固定しました。前回、スリングは5本でしたが、今回は1本1本に加重がしっかりかかるよう2本に減らし、万全を期すため、強度を強いものにしました。
船体のつり上げが始まったのは午後3時ごろ。それから4時間近く経った、日がほとんど暮れたころ『KAZU I』の姿がはっきりと現れました。
船体は、原型をとどめていました。操舵室の屋根にあったアンテナ類は引き揚げのため、事前に取り外されました。また、船首にあった手すりは、24日に落下した際に外れたとみられています。
客室の左舷側にあるドアが板のようなものに換えられ、塞がれていました。内側から割れたとみられている、客室前方の真ん中の窓も同じ様な素材で塞がれていました。船内の物が外に流れ出ないようにするためだとみられます。
海面には、油のようなものが流れ出していました。
前回は、水深20メートル付近に吊り下げた状態で曳航しましたが、船体との摩擦でベルトが切れ、海底に落下。そのため、今回は安定させるため『KAZU I』の上部を海面上に出し、台船の横に抱える“横抱き”の状態で曳航しました。
知床遊覧船の元従業員:「ちょっと出ましたね。やっとですね。事故原因が分からないと、どうやって船が沈んだか分からないので、修理した箇所から破損したのか、それとも古くなってなのか、またはどこか座礁して(穴が)開いたのか分かるので。見つかっていない方が一番気になりますね。早く家族のもとに戻してあげたい」
予定では、横抱きの状態で陸側に約7.5キロ移動し、浅瀬で『KAZU I』を台船の上にあげることになっています。
『KAZU I』の乗客の家族には説明会が行われました。
中山展宏国交副大臣:「ご家族からは、引き揚げられた船体をご覧になりたいと意見を頂いている。潜水士が発見した遺留品のカメラや携帯等々がありましたが、中身を事故究明のために解析してほしいと意見も頂いた」
今後の事故の経緯や原因の解明にはどんなところがポイントになってくるのでしょうか。水難学会の副会長で、元海上自衛官の安倍淳さんは、3つポイントを挙げています。
(1)船体の状況
事故原因につながる損傷があるのか。事故前に補修していたが、実際に直っていたのかどうか。整備不良があったのか、図面と照らし合わせて確認する必要があるということです。
(2)エンジンの状況
エンジンの内部は構造上、停止している場合、海水は入らない。そのため、エンジン内に海水が入っていなければ、整備不良など何らかの原因でエンジンが止まり、沈没の原因となった可能性がある。海水が入っていた場合、エンジンは動いていたとみられるので、例えば、沈没するなかでエンジンに水が入って止まったという可能性も出てくるということです。
(3)操舵(そうだ)室のスロットル
操作レバーが、前進方向に入っていた場合、船長が波に対して船首を立てて、沈没を防ごうとした可能性がある。逆に後進方向に入っていた場合、すでに船首に水が入っていて、とっさに船を後ろに戻そうとした可能性がある。これを見ることで、沈没した時に船長が適切な回避行動を取っていたかが見えてくるということです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>



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