ロシア「200億円超」金属略奪か マリウポリ市の幹部語る“実態”(2022年5月26日)
制圧された港湾都市マリウポリで日本円で「200億円」を超える金属がロシアに略奪される懸念が高まっています。番組では「その実態」に迫りました。
ロシア軍が完全に制圧したとする港湾都市マリウポリでは、今“ある疑惑”が浮上しています。
マリウポリの市長顧問が24日、SNSを更新。そのタイトルは「マリウポリで行われた略奪」。
ズラリと並べられた巨大な金属のロール。そのすぐ側には、「Zマーク」の車両が・・・。
マリウポリが制圧されて以降、確認され始めたのが、ロシアによる「金属」略奪の兆候です。その実態に迫りました。
ロシア側が外国人記者らを招待して、開催したメディアツアーの様子です。
ロシア兵:「誰も、あちこちへ歩き回らせないで」
ツアーにはロシア兵が付き添い、まるでここが自分たちの港であるかのように案内しています。
この港を巡っては、新たにこんな声明が・・・。
ロシア国防省の報道官:「マリウポリ港は再会し通常通り開港している」
ロシアのタス通信は25日、「港では、すでに400人以上が雇用され、最初の出荷は近日中、およそ3000トンの金属がロストフ・ナ・ドヌーへ運ばれる」と報じています。
ただ、この一報、引っ掛かります。ロシア側は当然のように「金属を出荷」と伝えていますが・・・。
番組は25日、マリウポリ市長顧問へのコンタクトに成功。先週報じた穀物に次ぐ、“金属略奪の実態”を取材しました。
マリウポリ市長顧問、ペトロ・アンドリュシチェンコ氏:「(ロシアは)港に残った金属を見つけてすぐそれを輸送する準備を始めました。金属はロールの形になっています」
メディアツアーで撮影された映像でもたくさんの「金属」を確認できます。
マリウポリ市長顧問、ペトロ・アンドリュシチェンコ氏:「港には4000トン近い小麦と、1億7000万ドル相当の金属が残っています」
日本円で200億円を超えるほどの大量の金属です。ロシアは海から運び出したい思惑があるのか、港の復元に向けた動きを加速。
港内に設置された地雷や、アゾフ海に仕掛けられた水中兵器「機雷」の撤去を進めています。
ただ、「沈んだ船が航路の妨げになっていること」「電気が通っていないこと」などが影響し、すぐに金属の輸送には至らないとみられています。
そこで、もう一つロシアが目を付けたのが・・・。
マリウポリ市長顧問、ペトロ・アンドリュシチェンコ氏:「海の輸送がうまくいかないため、鉄道の修復をしているようです」
マリウポリの近郊で、破壊された鉄道のレールを修復する様子が確認されています。
実は、ロシアとウクライナの鉄道のレール幅は同じ1524ミリ。鉄道網は侵攻当初から、ロシアの狙いの一つとされていました。
今後、ロシアは水陸2つのルートを使い「略奪」を進めていくのでしょうか。
マリウポリ市長顧問、ペトロ・アンドリュシチェンコ氏:「金属はウクライナの重要な産業です。(略奪されれば)経済的に大きな痛手となります」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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