「町に打撃を」“誤給付”容疑者の発言が・・・返金の「決済代行業者」とは(2022年5月25日)
4630万円の誤給付を巡る問題です。田口容疑者が逮捕前に「町に打撃を与えてやろうと思った」なとど話していたことが新たに分かりました。
誤って振り込んだ金のおよそ9割を取り戻した阿武町。返金の経緯は、まだ謎に包まれているものの・・・鍵を握るのが、この業者です。
町側の弁護を担当・中山修身弁護士:「甲とか乙とか丙は代行業をやっているらしい。よく(仕事の)性格は分からないが『何々を頼むから振り込んだよ、これをどうこうしてくれ』という関係だと」
返金をした「決済代行業者」とは何者なのでしょう。
田口容疑者(町の職員とのやり取り):「(先月14日に)副町長来ました。急に。会社来て、今から銀行連れて行っていいですかって。やっぱおかしいじゃないですか。そういうのも余計、僕からしたら火が付くものなんですよ」
これは田口容疑者が町の職員とのやり取り。町の関係者が記録していていました。日付は先月21日。すでに全額を「オンラインカジノ」に振り込んでしまっていた時期です。
田口容疑者(町の職員とのやり取り):「もう許せなかったんですよ。打撃を与えてやろうと思った部分も正直ありました」
ただ・・・「打撃」は、思った以上に小さそうです。
阿武町は24日、金のおよそ9割を取り戻したと発表。
理由はよく分からないとしながらも「決済代行業者」が戻したとしています。
この「決済代行業」とは、いかなるものなのか。
ITジャーナリスト・三上洋氏:「決済代行業者はオンラインカジノに日本から送金する仕組みと考えてもいい」
決済代行業者は「利用者」と「海外のネットカジノ」をつなぎます。
「円」で振り込むと「ドルなど」で送金します。
決済代行の機能はネットカジノ自体に組み込まれているケースもあるといいます。
ITジャーナリスト・三上洋氏:「オンラインカジノは日本では違法ですから、銀行口座の開設は事実上できません。そのために日本に別法人を作って口座を開設する。事実上ネットカジノと同一と考えていいと思います」
もちろんカジノ以外も取り扱います。
情報通信に詳しい・神戸大学工学部、森井昌克教授:「(Q.怪しい業者ではない)もちろんそうですね。一般的に決済代行会社がメインで行ているサービスは例えばクレジットカードの代行のようなもの」
ただカジノ絡みとなると事情が変わってきます。
ネットカジノは一部の国では合法ですが、日本人にとってはグレーゾーンです。
情報通信に詳しい・神戸大学工学部、森井昌克教授:「そこに(代行業者に)お金を振り込むことになるので、そのお金がオンラインカジノで使うならまだしも、マネーロンダリングになってしまう可能性もありますので、最近は金融庁からの強い指導があって、監視をしているので、通常の決済代行会社はやりたくないと思う」
町側の弁護を担当・中山修身弁護士:「差し押さえと『即時に払え』という取り立て命令の紙を置いて帰りました。おそらく、金曜日か土曜日には入金は、あったということは、ここで申し上げていいと思うんですけど」
素早い「返金」にはどんな意味があったのか。
町民:「業者が痛いところつつかれるのが嫌やから、それでパッと出したんやろ」
専門家も。
ITジャーナリスト・三上洋氏:「先に払ってしまった方が自分たちの問題のあるところを突かれずに済むと考えたのかもしれません」
ただ、返金すれば捜査機関が見逃すとは思えません。
決済代行を使い、オンラインカジノに金を送っていた田口容疑者。職員とは、こんな会話も交わしていたといいます。
町の職員:「逃げようとかそういうのは?」
田口容疑者:「ないです、ないです。どっかの離島とかでひっそり暮らせたかもしれないけど、そういう考えはなかったです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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