【侵攻から3か月】住民帰還も「水使えず…仕事もない」 ウクライナ侵攻
ロシアによるウクライナ侵攻から24日で3か月です。戦闘が続く中、ロシア軍が撤退したウクライナの首都キーウ近郊では、復旧が進んでいますが、住居や食の問題など課題も山積しています。街に戻った住民たちの思いを取材しました。
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首都キーウ近郊では、ロシア軍の撤退後、急ピッチで復旧作業が進んでいます。
ロシア軍に一時、街の一部を占拠されたマカリウも、再建へ向け、動き出していました。人口1万5000人ほどの、のどかな街だったマカリウは、建物が破壊され、集団墓地などからは、民間人180人以上の遺体が見つかりました。
ロシア軍の撤退から約1か月半が経過し、街には住民の姿が戻りつつあります。コーヒーショップを営むルドミラさんは、今月初めに店を再開しました。店の窓ガラスは大きく壊れています。
コーヒーショップを再開 ルドミラさん
「友人たちが笑顔で街に戻ってきています。こうして仕事をしていると、とてもうれしいんです」
1週間前に避難先のポーランドから戻ってきたばかりだという、常連の女子大生が店を訪れました。なじみの店で、久しぶりに口にするコーヒーの味は――
避難先のポーランドから戻ってきた店の常連女子大生
「(避難先の)ポーランドのコーヒーもおいしいのですが、ここのコーヒーは慣れ親しんだ味で特別です」
ルドミラさん
「コーヒーは会話をするきっかけになります。人と人をつなぐのです。小さな街なので、いつもなじみのお客さんと会えてうれしいです」
街には、住民同士の交流という「ささやかな日常」が戻りつつありました。
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一部に大きな被害を受けた集合住宅にも、住民の姿がありました。
12日に街に戻ってきた夫婦は、まだ水が使えないこともあり、いまは近くの親戚の家で暮らしています。
夫 ヴィクトルさん(68)
「この家では、まだ生活できない状態です。パイプが破壊されて、まだ水が使えません」
妻 ラリサさん(70)
「とてもつらい。たくさん泣いたので、もう涙も出ません。お金があれば、他の地域で家を買えるでしょう。でも、慣れ親しんだ故郷以外の街には住みたくないです」
30年以上暮らし続けた家に戻れるのか、不安を抱えていました。
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再び、集合住宅で暮らし始めた家族もいます。
台所で母親の手伝いをするミラナちゃん(10)は、12日に国内の避難先から戻ってきました。
ミラナちゃん(10)
「戦争中、友達と会えなくて寂しかったです。SNSでやりとりをしていましたが、戻ってきて直接会えてうれしかったです」
その一方で、母親のオクサナさんは、今後の生活に大きな不安を抱えていました。もともとは、首都キーウで弁護士として働いていましたが、ロシア軍による侵攻後、仕事がない状況が続いています。
ミラナちゃんの母親 オクサナさん
「戦争前には仕事がありましたが、今はありません。それがもっともつらいことです」
「今は裁判所では仕事がありません。弁護士たちも仕事がなく、どうしていいか分かりません。1か月で部屋を片づけて、海外で仕事を探すかもしれません」
街の再建は、戦争が長期化する中で進みます。故郷に戻った住民らにとって、先の見えない生活が続きそうです。
(2022年5月24日放送「news every.」より)
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