【独自】私立高校“ずさん経営” 給料遅配で教職員スト・・・“金巡る問題”続出 和歌山(2022年5月23日)

【独自】私立高校“ずさん経営” 給料遅配で教職員スト・・・“金巡る問題”続出 和歌山(2022年5月23日)

【独自】私立高校“ずさん経営” 給料遅配で教職員スト・・・“金巡る問題”続出 和歌山(2022年5月23日)

 和歌山県の私立高校で、教職員が給料の未払いなどを理由に、ストライキを行いました。取材を進めると、学生寮でガスが止まり、朝食が菓子パン1個になるなど、ずさんな学校運営の実態が見えてきました。

■“異常事態”頭悩ます生徒・・・一体何が?

 21日に話を聞いたのは、和歌山の私立高校の3年生です。

 和歌山南陵高校3年:「自分たち、これからどうしたらいいんだろうとか。学校が潰れたら、進路いけなくなる。そこは不安です」

 卒業まで1年と迫るなか、自身が通う高校でトラブルが相次ぐ異常事態に、頭を悩ませていました。

 2016年に開校した和歌山南陵高校。アスリートコースを備えるなど、スポーツに力を入れていて、去年は、バスケットボール部が創部わずか2年で、全国大会出場を果たしました。

 夏の大会も間近に迫るそのさかな、トラブルが起こりました。

■トラブル(1)「異例のストライキ」

 今月11日、教職員23人の4月分の給与が支払われていないなどとして、教職員が授業を取りやめ、ストライキをしました。

 南陵高校3年の生徒:「急に全校集会開くと言われ。給料が未払いで、先生たちがボイコットする話を聞いて。そういう大変な事態なんだと、ちょっと信じられない感じ」

 教職員の給与は20日に支払われましたが、こうした“金を巡る問題”は、他にもありました。

■トラブル(2)「寮のガス停止」

 県外出身の生徒も多く、140人が寮生活を送るなか、今年度はトラブル続きです。

 南陵高校の寮生:「この前(ガスが)止まっちゃって。お風呂が入れなくなったから、困りました。温泉(銭湯)にバスで行きました」

 今月9日、ガス料金を2カ月分滞納したことで、寮のガスが停止。学校側は、多くの生徒をバスに乗せて、5キロ先の銭湯へ。引率した教師は「ガスが故障したから来た」と話していたといいます。

 「野天風呂 宝の湯」・新宅裕也主任:「当然、驚いたのと、『何があったか』引率の先生に聞いたところ、先生は『ガスが故障して』と」

 学校関係者70人以上が一挙に訪れ、料金は4万円以上にもなりました。

■トラブル(3)「朝食は“菓子パン1個”」

 21日、寮で出された朝食の写真です。なんと、菓子パン1個。寮生に話を聞いてみました。

 南陵高校の寮生:「最近、土曜日はパン1個だけです、ずっと。足りないです」「(おなかすいたら)お湯とか使って、パスタ作ったりしてます」

 先月から土曜日の朝食は、菓子パン1個に変わったといいます。

 寮の食事を紹介する学校のホームページを確認してみました。5月の土曜日の寮の食事を見ると、朝食の欄は空欄になっていて、紹介されていません。

 3月の土曜日の朝食の写真です。ご飯に味噌汁、おかずも付いています。ご飯はお替わりもできました。それが、今では菓子パン1個。食べ盛りの高校生にとって、これほど苦しいことはありません。

■トラブル(4)「支払いトラブル多発」

 独自に入手した、学校法人の代表を務める小野和利理事長が、先月上旬、保護者に送った手紙です。

 学校法人南陵学園・小野和利理事長:「私の個人の資金をもって、各保護者の皆様に3月末に支給する予定でありました、就学支援金の金額の半額に相当する金額を用意致しました」

 国が授業料を補助する「就学支援金」。法人側は、国から2000万円受け取っていましたが、保護者への返還が1カ月遅れていたのです。

 保護者からは、不満の声が上がっています。

 保護者:「まず、就学支援金に関しての説明。説明を本人(理事長)出てきて、話をして頂きたいと思う」

 また、別の保護者に話を聞くと、学校の授業料を巡り、こんなこともあったといいます。

 保護者:「昨年11月に、授業料とかの振り込み方法が急に変わった。自動引き落としだったが、急に『振り込んで下さい』と。急に現金が必要になったのかなと、噂は回った」

 さらに、振り込み先は法人名ではなく、個人名に変更されたといいます。

 保護者:「振り込み先は、理事長の名前」

 去年から抱いていた「不信感」は今回、一連の問題が発覚したことで、一層強くなったといいます。

 そこで保護者は今月、ある決断に至りました。

 保護者:「説明会開いて頂いて、説明を聞いて、納得したうえじゃないと、(授業料)払えないです」

 一部の保護者が“授業料ボイコット”に踏み切るなど、不満の声が上がるなか、これまで法人側は保護者に対する説明会を行っていません。

■理事長に取材「コロナでお金なくなった」

 県によると、全日制の定員360人に対し、生徒は166人。通信制は定員900人に対し、生徒92人となっていて、「生徒不足や受験者数減少の影響」で、経営難に陥っている可能性があるということです。

 一連の問題を受け、学校法人のトップ小野理事長は退任の意向を示しています。

 保護者:「一刻も早く、通常通りの生活。子どもたちが楽しい学校に早くして頂きたい。まずは、理事長が出てきて謝罪」

 小野和利理事長に連絡すると、取材は断っているとしたうえで、「新型コロナでお金がなくなった」と話しました。

 説明や謝罪もないなか、23日に新たな理事長が高校に来るといいます。

 後任が誰なのか。保護者や教職員には知らされていないということです。

(「グッド!モーニング」2022年5月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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