「フィンランドとスウェーデンはテロ組織を支援している」トルコが2国のNATO加盟に難色示すワケ 専門家「ある種の条件闘争では」|TBS NEWS DIG

「フィンランドとスウェーデンはテロ組織を支援している」トルコが2国のNATO加盟に難色示すワケ 専門家「ある種の条件闘争では」|TBS NEWS DIG

「フィンランドとスウェーデンはテロ組織を支援している」トルコが2国のNATO加盟に難色示すワケ 専門家「ある種の条件闘争では」|TBS NEWS DIG

フィンランド、スウェーデンの北欧2か国がNATO加盟に向けて正式に申請を行いました。NATOの事務総長は「両国の申請を温かく迎えます」としていますが、その一方で、加盟国の一つでもあるトルコが「加盟に賛成することはできない」と難色を示しています。

その理由としてトルコは「フィンランドとスウェーデンがテロ組織を支援しているという安全保障上の懸念がある」と主張しています。こうしたトルコの動きに対し、専門家は「ある種の条件闘争のようなものでは?」という見方をしています。北欧2か国をめぐるNATOの動きについて、専門家にききました。

■フィンランド国民はNATO加盟に意欲的

山形純菜キャスター:
ロシアによるウクライナへの侵攻が始まって約3ヶ月。

NATO加盟を申請した北欧の2カ国、スウェーデンとフィンランドでは、ロシアへの警戒感が強まっています。

NATO加盟が今後どういった動きになるのか見ていきましょう。

軍事的に中立な立場をとってきたスウェーデンとフィンランドを地理的に見ると、ロシアと非常に近いです。特にフィンランドはロシアと約1300キロ国境を接しています。そのフィンランドの国民は、ロシアへの危機感を募らせています。

フィンランド国民
「フィンランドにも、戦争の脅威は近付いています。一国だけでは生き残れません」

フィンランド国民
「NATOに入るべき、それがフィンランドの安全に繋がります」

このような危機感は、行動にも表れています。

国防省関連団体が行っている防衛訓練では、実際に銃を持って行う訓練に参加するという方が急増しているんです。

その理由について団体関係者は、「隣人(ロシア)が予想のつかない国だから」と話しています。

そして、国民の意識も変わってきています。フィンランド公共放送が報じた「NATO加盟に関する世論調査」によると、侵攻前の2022年1月、NATO加盟に賛成という方が28%、反対という方が42%で、反対する方が多かったんです。ただ5月に入っての調査によると、賛成が76%、反対が12%と8割近くの方がNATO加盟に賛成、意欲的だということがわかります。

■加盟国トルコは難色

では実際NATOはどうなのかというと、歓迎ムードです。

NATOのストルテンベルグ事務総長は、「フィンランドとスウェーデンのNATO加盟申請を温かく迎えます」と前向きな姿勢を示しています。

このNATO加盟は、加盟している30カ国全ての承認が必要なんですが、そのうちの一つのトルコは難色を示しています。

トルコのエルドアン大統領は「スウェーデンはテロ組織の温床。加盟に賛成することはできない」

トルコのチャブシオール外相は「フィンランドとスウェーデンがテロ組織を支援しているという安全保障上の懸念がある」と否定的な姿勢なんです。

では今後、難色を示しているトルコの説得はできるのか、またロシアはどう動くのか注目されそうです。

ホラン千秋キャスター:
畔蒜さん、トルコの懸念に対してNATOは以前、その懸念を解消できると思うというような趣旨の発言をしていましたが、それが難しそうなのかという点について教えてください。

笹川平和財団主任研究員 畔蒜泰助さん:
トルコ側が非常に懸念してるのは、スウェーデンとフィンランドにいるクルド人の難民です。この中にトルコがテロリスト指定をしている組織の人がいるということで、そちらの引き渡しをどうやら求めているということですね。これは、どう考えても西側の人権の基準からいって、彼らをトルコに引き渡すというのは、とてもちょっと考えられないと。だとすると、これは想定外だと思いますが、もしかしたら相当交渉が長引く可能性があるんだと思いますね。

ホランキャスター:
思っていた以上にスムーズにこの申請から加盟のプロセスが進まないのではないかと。

畔蒜さん:
その懸念が今出てきているということだと思いますね。

井上貴博キャスター:
その部分をもう少し細かく教えていただきのですが、トルコが懸念しているのが、反政府・武装勢力を支援しているフィンランドとスウェーデンをNATOに入れることはできないと、これトルコの主張なんすけど、トルコのいったことは実際に行われているか、ある程度の難癖をつける形でキャスティングボートを握りたいというトルコの意思なのでしょうか?

畔蒜さん:
ある意味これは、条件闘争でもあると思うんですね。難民のクルド人を引き渡すという問題。それからもう一つ、スウェーデンとフィンランドがトルコに対して武器の輸出の規制、制裁をかけていますが、こちらも要するに解除してくれとも言っている。さらに実は、アメリカもロシアからトルコが「S400」という地対空ミサイルを買ってることに対して、トルコに制裁をかけてるんです。
こちらもトルコは、アメリカに対して制裁の解除を求めているということです。今のところどのタイミングでこの問題が解決するのかは、ちょっと今は見渡せないところだと思います。

■加盟までの空白期間は?

山形キャスター:
では、フィンランドとスウェ…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20220519-6019010)

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