「都の時短命令は違法」と指摘も賠償の訴え認めず グローバルダイニング訴訟|TBS NEWS DIG

「都の時短命令は違法」と指摘も賠償の訴え認めず グローバルダイニング訴訟|TBS NEWS DIG

「都の時短命令は違法」と指摘も賠償の訴え認めず グローバルダイニング訴訟|TBS NEWS DIG

東京都が去年、感染対策として飲食店に出した「時短命令」をめぐり、飲食チェーンが都に損害賠償を求めた全国で初の裁判。東京地裁は賠償を認めなかったものの、「命令は違法だ」と指摘しました。その理由とは・・・

夜、多くの若者らが行き交う東京・渋谷。しかし、去年1月、緊急事態宣言で人影はまばら。多くの店が閉まっていました。

東京都 小池百合子知事
「営業時間を朝の5時から夜の20時までとします」

都は、去年1月から3か月間、営業時間の短縮を要請し、ほとんどの店が従いました。しかし・・・

記者(去年3月)
「午後8時を過ぎましたが、こちらの店舗は営業を続けています」

「モンスーンカフェ」などを展開する飲食チェーン「グローバルダイニング」は、「雇用の維持」などを理由に通常営業を続けました。

グローバルダイニング 長谷川耕造社長
「会社の存続が危ぶまれるところまで借り入れもしたし、当時、まだ(都の)協力金とか雇用助成金とか拡充していなかった。このまま続けたら会社が存在できなくなるだろうと」

その後、運営する26店舗が、都から新型コロナの特別措置法に基づく罰則付きの時短命令を全国で初めて受けました。グローバルダイニングは最後は命令に従ったものの、「命令は営業の自由を保障する憲法に違反する」などとして、去年3月、都に損害賠償を求めて提訴しました。

グローバルダイニング 長谷川耕造社長
「(コロナの時短要請で)ひどい思いしている人がいっぱいいるわけですよ。だからその声を上げて」

実際、コロナ関連の倒産は、「飲食店」の業種が526件と最も多く、2位の「建設・工事業」を100件以上上回り、全体の15%を占めました。

一方、東京都は裁判で、「命令は新型コロナのまん延防止という正当な目的で出した」「公然と営業を続け売り上げを伸ばすことは、他の店の営業継続を誘発する」などと主張していました。

そして、16日の判決・・・

裁判長
「命令の発出は必要であったと認められず違法」

東京地裁は、命令を「違法」としたのです。その理由について、グローバルダイニングは「感染防止対策を実施していたが、都は確認しておらず、市中の感染リスクを高めていたと認める根拠は見出しがたい」と判断。さらに、都が命令を出したのが宣言解除の直前だったことから、「4日間しか効力が生じない命令をあえて出したことの必要性について合理的な説明はされていない」と指摘しました。一方で、当時は命令の必要性を認める専門家の意見もあったことなどから、都側が「裁量を逸脱したとはいえない」などとして賠償は認めませんでした。

一部主張が認められたことについて長谷川社長は・・・

グローバルダイニング 長谷川耕造社長
「正当な理由がなく、命令を発出したということは認めていただいたわけですよね。行政側は、より緻密に科学的根拠を持って最終的な結論を出していただけるのではないかとないかと思います」

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