レーニン像にルーブル導入も?「住民投票せずロシア編入」“占領地”で一体何が(2022年5月12日)
フィンランドなどがNATO(北大西洋条約機構)加盟へ向けた動きをみせるなかでゼレンスキー大統領は「NATOに加盟すれば戦争を避けることができた」と述べました。ウクライナ南部のヘルソン州では、親ロシア派が住民投票を行わずしてロシアへの編入を求める考えを示しています。
ウクライナ南部では、大きな動きがありました。
ロシア、タス通信:「ヘルソン州のロシア編入をプーチン大統領に要請する」
ロシア軍が占領している南部ヘルソン州です。親ロシア派が、ロシアへの編入を求めると表明しました。しかも住民投票すら行わない強硬策です。
ロシア、タス通信:「住民投票は必要なく、プーチン氏が大統領令に署名するだけで済む」
その中心となっている人物が4月末、ロシアにより軍市民局の幹部に任命されたストレモウソフ氏です。
親ロシア派幹部・ストレモウソフ氏:「ここはロシアなので人民共和国設立に国民投票は必要ない。ヘルソン州はゼロから年金や銀行システムを構築する」
ウクライナメディアによると、非合法活動家で一度も公職についたことはありません。ジャーナリスト襲撃の疑いなどで、捜査対象になったこともあり、地元メディアでは散々に酷評されています。
反ワクチン主義で「コロナはアメリカのせい」という陰謀論者です。地元メディアでは懸賞金がかかっていました。
地元メディア:「ヘルソンはウクライナの町だ。ウクライナは、ストレモウソフを捕まえたら50万グリブナ(約200万円)支払うことを約束する」
ロシア政府は、一方的に併合したクリミアの際の手法を再び取ることをにおわせています。
ロシア大統領府・ペスコフ報道官:「このような運命を決めるような決定は、クリミアの時のように明確な法的背景・正当性を持ち、絶対に合法でなければいけない」
ロシアの支配下に置かれたヘルソン州。旧ソ連の象徴でもあるレーニン像が設置され、ルーブルが導入される予定です。
行政も着々と進むロシア化に歯止めをかけることができません。
ミコライウ市長:「私たちは占領下にあるヘルソン市長を個人的に知っています。彼は数カ月働いた後、占領者が彼をオフィスから追い出して別の人を任命したのです」
CNNリポーター:「日の出とともにロシア軍に占領されたヘルソンから脱出する人たちです」
続々と住民は街から逃げ出していました。
避難した男性:「学校も病院もほぼ閉鎖状態です」
避難した女性:「店には品物がありません。全部クリミアから来たものです」
残された人々はどう暮らしているのでしょうか。
ヘルソンに残る女性が仮名でCNNのインタビューに応じました。
キャスター:「彼女は身元を隠すためにマスクを着けています」
ヘルソンに残る女性:「生きていくのが非常に厳しいです。戦争前にできていたことができないからです。外出も多くできません。新鮮な空気も吸うことができません」
脱出も日に日に厳しくなってきたそうです。
ヘルソンに残る女性:「列車の駅は使えません。初日にロシアによって破壊されました。車だと大体40から50カ所のロシアの検問所があって車も携帯電話も調べられたりします」
ロシア編入を望む人はいないと話しています。
ヘルソンに残る女性:「私はクリミアのようにヘルソンの編入を望む人は一人も知りません。皆、ロシアの一部にはなりたくないと言っています。彼らがどんなことをしてきたかを見てきたからです」
ウクライナ政府は真っ向から編入を否定しています。
ポドリャク大統領府顧問ツイッターから:「ウクライナ軍はロシアがどんな言葉を述べようとヘルソンを解放する」
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ロシアが協力者とみなした人たちは地球的レベルを超えたナンセンスな発言を行った」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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