“冷たい北風”に・・・対北朝鮮政策は転換 韓国・尹新大統領が就任演説(2022年5月10日)

“冷たい北風”に・・・対北朝鮮政策は転換 韓国・尹新大統領が就任演説(2022年5月10日)

“冷たい北風”に・・・対北朝鮮政策は転換 韓国・尹新大統領が就任演説(2022年5月10日)

韓国では10日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が、新たな大統領に就任しました。

尹新大統領は、就任式の演壇までの180メートルを国民と触れ合いながら、8分かけて歩きました。約4万人の招待客を前にして行われた就任演説。
尹錫悦大統領:「尊敬する国民の皆さま、世界の皆さま。今、全世界はパンデミック危機、交易秩序の変化やサプライチェーンの再編、気候変動、食糧やエネルギー危機、紛争の平和的解決の後退など、一つの国が独自に、または数カ国だけが参加して解決しにくい難題に直面している。私は自由、人権、公正、連帯の価値を基づいて、国民が真の主である国、国際社会で責任を果たし、尊敬される国を、偉大な国民の皆さまとともに、必ずつくり上げていく」

検察官出身の尹大統領。文在寅(ムン・ジェイン)前政権で、検事総長に抜擢されると、大統領側近の疑惑を追及して、辞任に追い込むなどしました。結果、政権との対立が深まり、去年3月に辞任しましたが、その姿勢が支持され、大統領選を勝ち抜きました。

新大統領として、どういう姿を見せるのでしょうか。文前大統領は、2018年、板門店(パンムンジョム)で行われた歴史的会談を皮切りに、北朝鮮には“太陽”に例えられる融和政策を取ってきました。しかし、尹新大統領は、北朝鮮に対し“冷たい北風”となるとみられています。大統領選のさなか、北朝鮮に対し厳しい姿勢を見せていました。しかし、就任演説では、こう述べました。
尹錫悦大統領:「私は朝鮮半島だけでなく、アジアと世界の平和を脅かす北朝鮮の核開発に対しても、その平和的解決に向けた対話の門を開いておく。また、北朝鮮が核開発を中断し、実質的な非核化に移行するのなら、国際社会と協力して、北朝鮮経済と住民の暮らしを改善できる大胆な計画を用意する」
途絶えている非核化交渉の再開に意欲を見せ、条件付きながら経済支援の考えがあることも口にしました。

戦後最悪ともいわれる日韓関係については、どういう姿勢を取るのでしょうか。今、日本と韓国の間には、従来の慰安婦問題に加え、徴用工訴訟問題、さらに輸出における優遇措置の対象となる“ホワイト国”からの除外など、問題が山積みとなっています。尹大統領は関係を改善したいとしていましたが、就任演説では、日本に触れませんでした。

就任式のあと、尹大統領と会談した林外務大臣は、岸田総理から預かった親書を手渡しました。
林外務大臣:「尹大統領からは、日韓関係を重視しており、関係改善に向けて協力していきたい旨を述べるとともに、今後、緊密に意思疎通を行っていきたいという発言があった」

文前大統領とは、違う道を歩むとする尹大統領。これまで歴代の大統領が執務してきた青瓦台ですが、尹大統領は「国民にお返しする」として、開放しました。大統領執務室は、国防省があった場所に移されます。

国民の声です。
コーヒー販売の男性(20代):「歴史的に解決していない課題はあるけど、お互い共通点も多いし、また仲直りして、貿易の面でも解決策を見つけてほしい」
障がい者施設職員(60代):「アメリカだけに偏りすぎるのはよくないと思う。文政権は日本や北朝鮮には弱すぎだった」
建築業の男性(40代):「アメリカや中国より、近い日本との関係を先に解決するべき。反日感情が20~30代で高まっている。私は40代だが、日本は感情的に向き合う国ではないと思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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