山梨・高校総体「競歩」 給水コップに“消毒液”・・・選手は嘔吐し棄権 危険ミスなぜ?(2022年5月9日)
山梨県で行われた高校生の競歩の大会で、給水エリアに水ではなく、アルコール消毒液が入ったコップが誤って置かれ、飲んだ選手が嘔吐(おうと)しました。危険なミスはなぜ起きたのでしょうか。
■誤って消毒液を注いだのは「審判員」
山梨県高校体育連盟・逆瀬川慶浩会長:「まず、え?ですよね。1年間一回の目標としている大会で、そういうことが起きて、本当に申し訳ない」
大会の主催者が、信じがたいことの顛末(てんまつ)を明かしました。
7日の山梨県高校総合体育大会。8人の選手が出場した女子競歩の5000メートル決勝。高校2年生の選手が、3000メートル地点で、給水エリアに置かれていたコップを手に取りました。ところが・・・。
逆瀬川会長:「100メートルくらい進んだ後に、しゃがみこんで、嘔吐して棄権した」
レースが佳境を迎えるなかで、手に取ったコップに、まさかのアルコール消毒液が・・・。消毒液を口にしていたのは、嘔吐した選手だけではありませんでした。
逆瀬川会長:「競歩の時に、3人がアルコールを間違って飲んだ」
なぜ、給水コップに消毒液が混入するという、信じられない事態が起きたのでしょうか。県の体育連盟会長によると、誤って消毒液をコップに注いだのは、審判員でした。
審判員が、競技場内にある保管部屋から運び出した段ボール。その中には、見た目が全く同じ形状の3本のペットボトルが入っていました。
逆瀬川会長:「3本、段ボールから持って行った時の1本が、ラベルが付いてなくて、封が開いていた」
3本のうち2本は、商品のラベルが付いた未開封の水。残る1本はラベルが剥がされ、アルコール消毒液が入っていたのです。
逆瀬川会長:「(Q.ラベルを外したものに、書くなどはしていない?)その表記はなかった。そのあたりもダメなところ。一緒に保管したところもダメ。色や形状を変える、明記していなかったことも問題」
その後、審判員は、テーブルに置かれたプラスチックのコップに、ペットボトルから液体を注ぎました。消毒液を口にした選手3人は、競技後すぐに診察を受け、現在は回復傾向にあるといいます。
■専門家「急性アルコール中毒の恐れ」
専門家は、消毒用アルコールを口にした時の危険性をこう語ります。
長崎大学病院・森内浩幸教授:「消毒用のアルコールですので、(濃度)80%くらい。例えば、市販のウォッカも40%くらい。2倍の濃さになる。それをいきなり摂取すると、量にもよるが、致死量に達するくらいの急性アルコール中毒を起こす恐れはある。通常、そういうものを飲めば、吐き出してしまう。致死量に達するほど飲むことは少ない」
山梨県高体連は、生徒本人と保護者に謝罪し、詳しい経緯を調査しています。
途中棄権の選手も出てしまったレースについては、やり直しも含め、協議が行われているということです。
(「グッド!モーニング」2022年5月9日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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