大物シェフが始めた動画配信・・・レシピ学ぶだけではない、料理人との繋がりとは?(2022年5月8日)

大物シェフが始めた動画配信・・・レシピ学ぶだけではない、料理人との繋がりとは?(2022年5月8日)

大物シェフが始めた動画配信・・・レシピ学ぶだけではない、料理人との繋がりとは?(2022年5月8日)

新型コロナの感染拡大以降、有名店のシェフがレシピ動画の配信を始め、人気を博しています。
動画によって“レシピ”を学ぶだけでない、プロの料理人との繋がりによって起きた変化とは。

【フレンチの大物シェフが人気動画配信】

カメラの前で見せる洗練された手さばき。完成したのは鯖のムニエル。
おいしそうに食べる、こちらの男性は
フレンチレストラン 「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーシェフ、三國清三さん

大使館や数々の晩さん会、国際会議で料理長を務めるなど
世界的に認められたその技術。長年の食文化への貢献に対して
日本の料理人としては初めて、フランス政府から勲章を授かるなど、
卓越した功績を誇る、超大物シェフなのです。

三國シェフが、YouTube配信を始めたのは2年前。

最初の緊急事態宣言の最中、「ステイホーム中の人たちの役に立てる」と思い
レシピ動画の配信を始めました。動画の撮影はレストランの休憩時間に行われています。

オテル・ドゥ・ミクニ 三國清三シェフ
カメラマン「全部1人でやるんですね」
三國シェフ「だって今みんな休憩だもん。これ一週間毎日やるんですよ。週8本撮るんですよ、8本。」
と、ぼやきますが、楽しそう。
毎日投稿を続け、これまでの配信本数は700以上、登録者30万人を超える人気チャンネルなのです。

【調理方法だけでない、三國シェフの哲学も動画配信で】

その魅力は
三國シェフのチャンネルを登録している男性
「ひとひねりというかちょっとした手間で非常に高級感が出るという技術、技術とまで言わないですけど、わかったりするのは非常に楽しいですね。」

こちらの男性は、シェフのおかげで、コロナ禍の食卓が華やかになったといいます。
自分で作っているうちにお店の味が知りたくなり、家族で来店したことも。

店で味わえるのは、“本物の”高級フレンチのメニュー
YouTubeでは、その試作の様子も配信しています。

三國シェフ
「毎月37年間今でもそうですけどメニューを変えるんです。その時に全部の自分のエスプリ(精神)をつぎ込むんですね。」
「今まで僕は絶対に伝えきれなかった僕自身の内面ていうのかな。」
「YouTubeで発表したら、見事にみんな咀嚼してるんですよ。それはすげーなって思いますよ・・・。」

料理の楽しさだけでなく、フレンチの知性や哲学も伝えられる・・・
三國シェフにとって今、YouTube配信は欠かせないものとなりつつあります。

【動画配信に救われた・・・イタリアンの巨匠】

一方、東京・青山の「リストランテアクアパッツァ」オーナーシェフ、日高良実さん。
イタリアの名店を北から南まで渡り歩いて腕を磨き、帰国後、東京に店をオープン。
イタリアンの巨匠として知られる彼も、実は人気ユーチューバー。

きっかけは別のチャンネルにゲスト出演したこと。
配信を見た人が次々と来店したため、自分でもYouTubeを始めたといいます。

日高シェフ
「私の視聴者さんていうのが、だいたい男性が多いのね。」
「どのポイントが興味を持つだとか、そういうのを意識しながら、カメラの向こうに・・・」

YouTubeは店の売上にも大きく貢献しています。
日高シェフ
「うち、YouTubeをやってなかったら多分壊滅的な打撃になっていて、継続も難しかったと思います。」

【日高シェフのレシピを家庭で再現、“ステイホーム”が救われた】

YouTubeでシェフのとりこになった一人、高山さんです。
日高シェフの動画で覚えた料理を、よく自宅で作るといいます。

調理する高山さんは
「皮がそっくり返っちゃうんで、焦げ目をつけて皮を安定させるために押さえてます。って日高シェフが言ってました。」
高山さんがこの日作ったのは、3品。ご家族も「うん、うん」と高評価のようです。

新型コロナの感染拡大が始まったころ、シェフのYouTubeが家庭にもたらしたものは、大きかったと高山さんは振り返ります。
高山さん「楽しみが全てなくなった時にすごく救われたなって思ってて、家でできる楽しいことを教えてもらって、あれがなかったらもっと結構つらかったかなって。緊急事態宣言の本当のステイホームの時間が。」

【動画配信によって、客との交流をスタート】

高山さんはYouTubeがきっかけで、日高シェフの店に行きました。
YouTubeで見ていた一流シェフが目の前に・・・

高山さん「初めて来た時に、シェフがテーブルを回ってきてくださって「本物だ」って思った。」

高山さんは、その味とホスピタリティに魅了され、今では家族や友人と、定期的に店に通っています。
日高シェフがすべてのテーブルを回り、客と言葉を交わすようになったのはYouTubeがきっかけでした。

日高シェフ
「改めて気づいたんですよね、そうやってわざわざ来て下さる人に対してすごくありがたいなって。」
YouTubeでつながる、家庭の食卓と一流料理人の厨房。それは両者に、思いがけない変化と発見をもたらし
新しい食文化となっています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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