【SDGs】ブラック霞が関からカラフル霞が関へ 若手官僚が挑む「働き方改革」|TBS NEWS DIG

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長時間労働など、ブラックな職場と言われてきた霞が関の働き方ですが、多様な働き方を認め合う“カラフルな霞が関”に変えるため、若手官僚が立ち上がりました。

霞が関の一角にある人事院の会議室。“ある提言の作成”に向け、若手官僚が集まり議論を行っていました。彼らが話し合っているのは“ブラック”とも言われる霞が関の働き方改革です。

若くして官僚を辞めた人へのヒアリングでは、特に過酷な勤務と子育ての両立が困難なため、離職が相次いでいる実態が浮き彫りとなりました。

「出産育児により、24時間戦士になれなくなった自分は、組織から必要とされていないのではないかと卑屈になった」
「妊娠中に平均睡眠時間3~4時間の状況が続き、母体への危機を感じた。復帰後も子育てとの両立は不可能に近く、家族共々ぼろぼろになった」

霞ヶ関駅に姿を見せたのは、若手官僚の一人、総務省に勤務する地主さんです。入省7年目の地主さん。日々の仕事に追われる中で今後、女性官僚として働くうえでの不安があるといいます。

若手官僚 地主さん
「独身でばりばり働いて、24時間戦士の働き方ができる方もいらっしゃると思うんですけど、自分がこれから子どもを産んだり、ライフステージが変わっていくっていうときに、ここで働いていけるかなって」

記者
「午前0時を過ぎた霞が関です。まだ明かりが点いた部屋が多くありますね」

常態化した長時間労働などが理由で、若手官僚の離職者は6年で4倍に増加しました。そんな官僚の長時間労働につながっていると指摘されるのが“国会対応”です。国会で取り上げられるテーマの想定問答作りは深夜にまで及びます。

ただ、残業が多い霞が関にも国会対応などが割り振られない、勤務時間に配慮した働き方があります。仕事と子育てを両立したい官僚が希望する通称「ママさんポスト」。若手チームの井上さんも子育て中に「ママさんポスト」に異動しましたが、複雑な思いがありました。

「自分はやっぱりここで必要ではない人材なんじゃないかって。私が(異動前の部署で)やらなきゃいけなかった国会業務をやって下さった上司とかに、すごく負担がいっているのを目の当たりにすると申し訳ない気持ち」

さらにこの「ママさんポスト」、昇進への影響に不安を感じる人も多く、育児を行うのは女性だけではないとして、在り方を見直すべきだといいます。

若手官僚 山内さん
「この配慮(ママさん)ポストにつけるという考え方自体が早晩破綻すると思っています」

先週、若手チームが取りまとめた提言。タイトルの「カラフル」には老若男女、様々な事情を抱える職員全員がいきいきと活躍できる公務を目指すとの想いを込めました。また、育児と両立したい職員のため、柔軟なキャリア形成が可能となる提案も盛り込みました。

提言を受けた人事院の川本総裁は

人事院 川本裕子総裁
「女性が増えてきていることによって、この長時間労働がより問題であるということが鮮明になっているんですね。なのでこれは(改革の)非常にいいチャンス。世界最高水準の行政サービスを提供してほしいというのが私も含めて国民の願い。そのためには(官僚の)働き方が合理的なものでなければそれは達成できない」

川本氏は代替要員をどう用意するかなど、組織マネジメントが重要と意欲を示します。

一方、国会対応を官僚に強いる“政治”の側も動き始めました。自民党の有志は若手官僚の取り組みを聞き、霞が関の働き方改革には政治側の理解が不可欠だとして、岸田総理に提言しました。

自民・公務員制度改革等PT 小倉将信座長
「トップダウンで(霞が関の)働き方改革を進めていかねばならない」

ブラック霞が関から“カラフル霞が関”へ。私たちがよりよい社会を目指すため、国造りを担う官僚の働き方を見直すことは喫緊の課題です。

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