「民間人のふりをして脱出」要衝マリウポリの激戦で負傷したウクライナ軍部隊の隊長が語った…あの製鉄所での攻防|TBS NEWS DIG

「民間人のふりをして脱出」要衝マリウポリの激戦で負傷したウクライナ軍部隊の隊長が語った…あの製鉄所での攻防|TBS NEWS DIG

「民間人のふりをして脱出」要衝マリウポリの激戦で負傷したウクライナ軍部隊の隊長が語った…あの製鉄所での攻防|TBS NEWS DIG

激戦地・マリウポリの最前線にいたウクライナ軍部隊の隊長が私たちの取材に応じました。市民が取り残されている製鉄所付近の戦闘で負傷し「着替えて民間人のふりをして脱出した」という隊長。製鉄所をめぐるロシア軍との戦闘について詳しく語りました。

ロシア外務省は岸田総理大臣や林外務大臣ら63人を無期限で入国禁止にすると発表しました。

岸田総理
「日ロ関係をこのような状況に追いやった責任は全面的にロシアにあるにもかかわらず、ロシア側がこのような発表、断じて受け入れることはできない」

対象は主要閣僚や国会議員、さらには読売新聞グループ本社主筆の渡邉恒雄氏やスポーツジャーナリストの二宮清純氏、国際政治学者の中村逸郎氏、北方領土の元島民らでつくる「千島連盟」の理事長も対象となっています。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん
「(ロシアが)『これから日本と北方領土交渉はやらない』と鮮明にしたかたちだと思う。日本側もどう対抗措置を取るか検討する必要が出てくる」

またこのタイミングの発表には5日に予定されている日英首脳会談や、来月予定されている日米首脳会談なども関係しているとみられます。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん
「ロシア側がけん制してきた、日本とアメリカを中心とした西側をけん制」

ウクライナ南部・ザポリージャに到着したバス。ロシア軍に包囲されていたアゾフスタリ製鉄所から避難してきた市民たちです。

製鉄所から避難してきた人
「製鉄所ではみんな頑張っていたわ」

製鉄所には今も数百人の市民が取り残されているとみられていますが、先ほど(日本時間4日夜)ウクライナのメディアはロシア軍が突入したと報じました。一方、ロシア側は突入を否定しているということです。

マリウポリの最前線でウクライナ軍部隊の隊長として活動していた男性。ロシア軍に命を狙われていることから匿名を条件に取材に応じてくれました。

マリウポリで戦闘を経験 ウクライナ軍部隊の隊長
「私たちはアゾフスタリ製鉄所の近くで戦っていました。私の部隊の一部はまだそこ(製鉄所)にいます。ロシア軍が集中しているエリアを偵察しロシア兵を掃討する任務を実行しました。敵が突破しようとしていたのですが私たちは排除していました」

戦闘の合間には地下にあるシェルターで寝泊まりしていたそうです。しかし男性は3月下旬、戦闘で負傷し命からがらマリウポリを脱出したといいます。

マリウポリで戦闘を経験 ウクライナ軍部隊の隊長
「洋服を探し出して着替えて民間人のふりをして、28か所の(ロシア軍の)検問所を通ることができました。 隊員はみんな200キロ以上歩きました。昨日は製鉄所にいる女性兵士とメッセージのやりとりをしましたが、彼女の友達が彼女の目の前で亡くなったそうです。地下貫通弾が使われ頭蓋骨が割れてしまっていました」

男性は今、東部・ド二プロにいて、治療が終わり次第、指示された戦場に戻ると話します。

マリウポリで戦闘を経験 ウクライナ軍部隊の隊長
「(Q.戦闘が長期化してしまっている。今どんなことを感じている?)私が感じていることは言葉にできないです。これが私の最後の言葉になったとしても、全てが無事に終わるように自分の命をかけても全力を尽くすしかない」

攻撃の手を緩めないロシアに対し、欧米もウクライナへの支援に力を入れています。

アメリカのバイデン大統領はウクライナに提供している対戦車ミサイル「ジャベリン」の製造工場を視察しました。ウクライナへはイギリスのジョンソン首相も追加の軍事支援を表明しています。

こうした欧米の動きに対しロシア側は・・・。ロシア軍はリビウや南部オデーサなどの駅の変電所6か所を攻撃。鉄道を通じ欧米諸国から供給された武器が輸送されていると主張しています。

オデーサではここ2週間ほどロシア軍による攻撃が相次いでいます。先月、ミサイルが直撃し8人が亡くなったマンションにJNNのカメラが入りました。

須賀川拓記者
「ミサイルが直撃したところがそのあたりですね。直撃した周辺、地面が完全に無くなっているのがわかります」
「おそらく夫婦の寝室だったと思いますが、一瞬にして日常が奪われるというのはこういうことなんですよね」

避難しようとしたのか、マンションの階段には血痕が続いていました。

この攻撃で夫を亡くした女性は・・・

夫を亡くした女性
「夫は私たちを心配して安全なところに逃げて欲しいと思っていた。『全てうまくいくから』と言いました。でもうまくいきませんでした」

女性は夫に言われ、4歳の娘と避難していました。夫はこのマンションに一人残り、帰らぬ人となったのです。

夫を亡くした女性
「恐怖と恨みで押しつぶされそうです。何年もかけて積み上げた私たちの人生なのに・・・あまりにも辛すぎます」

オデーサへの攻撃を続けるロシアは軍事施設を狙っていると主張していますが、このマンションは民間施設で周りに軍事施設もありません。

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