ウクライナ危機で強まる「専守防衛」見直し論…自民党ハト派の重鎮が危機感|TBS NEWS DIG

ウクライナ危機で強まる「専守防衛」見直し論…自民党ハト派の重鎮が危機感|TBS NEWS DIG

ウクライナ危機で強まる「専守防衛」見直し論…自民党ハト派の重鎮が危機感|TBS NEWS DIG

5月3日は75年前に日本国憲法が施行された憲法記念日です。ロシアによるウクライナ侵攻などをうけ、今、憲法9条に基づく「専守防衛」の見直し論が強まっています。

日本の平和をどう守っていくのか。多くの人が不安を感じ始めています。

大学生(20代)
「めちゃくちゃ北朝鮮のこと気になります。日本なんかあったら怖くない?」

会社員(20代)
「ウクライナのこととか、自分の国に対する防衛が他人事ではない」

ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮、軍事力を強化する中国、ウクライナに侵攻したロシア・・・。

厳しい現実を前に自民党は先週、弾道ミサイルなどによる日本への攻撃に対応するため、日本が相手国の基地などへの反撃能力を保有することを提言しました。さらに議論の過程では・・・

自民党 福田達夫総務会長
「専守防衛では限界があるのではという指摘が複数の方からございました」

長年、日本が守ってきた「専守防衛」を見直すべきとの意見が出たのです。そもそも「専守防衛」とは、戦力の不保持などをうたった憲法9条に基づくものです。日本からの先制攻撃は原則禁止。相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使できます。しかも、自衛のための必要最小限に限られます。

しかし、これに総理経験者が疑問の声をあげました。

自民党 安倍晋三元総理
「そもそも相手は戦争ですから、殲滅しに来てるわけですよね。殲滅しようとしている国に対して、必要最小限度はどこかと考えながらやることはなかなか大変ですよね」

たとえば専守防衛を今のウクライナにあてはめれば、ロシアへの反撃を必要最小限に留めるということにもなりかねません。自衛隊の前のトップも「必要最小限」という縛りは「非現実的」だと訴えます。

 自衛隊 河野克俊前統合幕僚長
「(自衛隊は)災害派遣には全力であたってます。『いいかお前、必要最小限だぞ』なんて、そんなことやるわけないんですよね。戦争は自然災害よりももっとひどい状況。国民の皆さんにとっては。いまだに自分たちの手足を縛って『必要最小限です。世界のみなさんご安心を』なんてことは次の世代に負わせてはいけない」

ただ、勢いづく防衛力強化の議論に強い懸念を抱く人もいます。岸田総理に派閥の会長の座を譲った、自民党の古賀誠元幹事長です。

自民党 古賀 誠元幹事長
「感覚で戦争を実体験している人たちがいない今、とっても怖いということを僕は言ってる」

太平洋戦争で父親を亡くした古賀氏。「力で平和を実現する」という議論は、戦争を実体験していない世代が理屈で考えた議論だと訴えます。

自民党 古賀 誠元幹事長
「戦争だけはね、理屈で収まるんじゃないんです。どれだけのね、尊い命が失われたり、財産無くしたり、血を流したりと、そういう尊い犠牲の上にあるんです。だからこそ戦争というのは繰り返してはならないし、理屈で収められるような簡単なものではない」

古賀氏は日本の周辺国が力を振りかざす今こそ、憲法9条の理想を追求すべきだと考えています。

自民党 古賀 誠元幹事長
「平和憲法があることは大きな力であるし、先人が残した決意と覚悟なんです。もっと言えば理想なんです。その理想を実現するために外交を使ったり、経済使ったり。だから理想であることは間違いないですよと、9条は。だけど政治ってそもそも理想を実現するためにあるんじゃない」

施行から75年。憲法は岐路に立っています。

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