【知床観光船事故】露呈した“ずさん”管理体制 観光船にキャンセルも…
知床半島の沖合で、観光船が消息を絶ってから6日目を迎えました。15人が行方不明でしたが、28日、新たに2人発見されました。27日、事故を起こした「KAZU 1」の運航会社社長の会見では、ずさんな管理体制が露呈しました。知床半島沖で観光船を運航する別の会社では、安全管理を徹底し、ゴールデンウイークが始まる29日から運航を始めるということですが、キャンセルも出ているといいます。
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28日、遺体が安置されている体育館へ献花に訪れる人たちは、絶えることがありませんでした。
献花に訪れた人
「いてもたってもいられなくてきました」
事故から6日目、消息を絶った「KAZU 1」は見つかっておらず、乗客乗員26人のうち行方の分からない15人の捜索が行われました。
そして、夕方、関係者によると、新たに2人が知床半島の羅臼周辺で発見されたということです。
橳島優さん(34)の両親は、次のように語りました。
橳島優さん(34)の母親
「まだ、行方不明者の方が、多くいらっしゃるなかで、息子は私の元に帰ってきてくれたんです、それだけで」
亡くなった橳島優さん(34)の父親
「あれだけ荒れた海で、冷たい中にね。恐怖とね。怖いのとね。本当に、死ぬ間際まで無念だったと思いますよ」
橳島優さん(34)の母親
「息子は結婚の前に行ってたんです」
28日、北海道の鈴木知事は乗客の家族と面会しました。
北海道 鈴木直道知事
「『帰ってきてほしいんだ』と、みなさん涙ながらにお話をされていました」
そして、事故を起こした「KAZU 1」の運航会社の桂田精一社長も、遺体が安置されている体育館に初めて姿を見せました。乗客の家族から「ここに来て謝ってほしい」と強い要望があり、訪れたといいます。
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27日の謝罪会見は、土下座で始まり土下座で終わりました。
――事故が起きた理由は?
「KAZU 1」運航会社 桂田精一社長
「私のいたらなさだと感じております。安全管理は行き届いていなかった、ということになると思います」
船とやりとりをする無線のアンテナが壊れていて使えないなど、安全管理の「ずさんさ」が露呈しました。
「KAZU 1」運航会社 桂田精一社長
「海が荒れるようであれば、引き返すという条件付き運航ということを豊田氏と打ち合わせ当時の出航を決定しました」
出航前には、「強風・波浪注意報」が出され、「午後から海が荒れる」と分かっていたにもかかわらず、「KAZU 1」多くの乗客をのせ海へと出ました。
斉藤国交相
「条件付きということは、ありえないものだと。当事者意識の欠如、責任感の欠如だと思う」
国土交通省は28日、観光船などの安全対策を検討するための委員会を設置しました。
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28日、知床半島沖でホエールウオッチングなどの観光船を運航する会社では、29日から始まるGWを前に専門家が従業員への安全講習を行っていました。
船運航の専門家
「安全に行って、安全に帰ってくることが当たり前」
知床ネイチャークルーズ 長谷川雄紀船長
「私たち自身もよりいっそう、気をつけなきゃいけないなと」
羅臼町では事故があった2日後には、観光船を運航する5社が集まり安全対策などを話しあったといいます。
知床ネイチャークルーズ 長谷川雄紀船長
「自粛、私たちもした方がいいんじゃないかとか色々あった」
安全管理を徹底し、29日から運航を始めるということですが、キャンセルも出ているといいます。
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運航会社の桂田社長は、28日午後5時から乗客の家族に対して説明を行っているということです。
(2022年4月28日放送 「news every.」より)
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