東部マリウポリにあるウクライナ側の最後の砦・アゾフスタリ製鉄所。女性や子供が逃れた巨大な地下施設とは?【サンデーモーニング】【手作り解説】|TBS NEWS DIG
ウクライナ東部・マリウポリの制圧を一方的に宣言したプーチン大統領。しかし最後の砦・アゾフスタリ製鉄所には、巨大な地下施設が。ドンバス地方への戦力増強を進めるプーチン氏の狙いとは。
■“最後の砦”アゾフスタリ製鉄所とは
マリウポリでウクライナ側の【最後の砦】となっているアゾフスタリ製鉄所。プーチン大統領が「ハエ1匹も通れないよう製鉄所を封鎖せよ」と言っていますが、一体どんな所なのでしょうか。アゾフスタリ製鉄所はアゾフ海に面したマリウポリにあるのですが、この地図で示したグレー色の場所は、ウクライナ軍がなんとか守っていた所です。しかし今月17日には、製鉄所を残すのみという状況になっていました。
この製鉄所、旧ソ連時代に作られたのですが、特徴の一つがその広さです。およそ11キロ平方メートルと東京ドーム235個分、文京区とほぼ同じでヨーロッパ最大級です。
そして最も注目されるのが、巨大な地下施設が広がっている点です。地下は何層にもなっていて、研究所や診療所、園芸場や居住空間にも分かれ、また迷路のようにトンネルも張り巡らされており、まるで地下に町があるようだとも言われています。もともと旧ソ連時代に核攻撃なども考慮し建設された、堅固な構造だといいます。
地下施設には子供を含めた市民およそ1000人が避難し、ウクライナ兵が数千人、負傷兵およそ500人がいるといいます。それにかかわらず、ロシア軍が「地下施設にも攻撃が可能な地下貫通弾・バンカーバスターを使っている」と、製鉄所で抵抗を続けるウクライナ側は主張しているわけです。
■アゾフ連隊はネオナチか先鋭部隊か
もう一つ注目されているのが、アゾフスタリ製鉄所で抵抗を続けるウクライナの軍事組織・アゾフ連隊の存在です。
アゾフ連隊とは、2014年、ウクライナ東部で暫定政権側と親ロシア派の武装勢力が衝突した際、マリウポリを守った義勇兵グループのひとつで、当初はアゾフ大隊と言いました。初期には極右的なメンバーが含まれ、ナチス信奉者などが目立ったとされましたが、その後は、政治色も薄まり、国家所属の正規部隊へと変わりました。
しかしプーチン大統領は、アゾフ連隊をネオナチと位置づけることで、ウクライナの非ナチ化を目指すとする自らの軍事侵攻を正当化する口実に利用してきました。例えば、およそ300人が犠牲なったマリウポリの劇場への空爆についても、ロシア側は、攻撃したのは「アゾフ連隊だ」と主張しているのです。
■攻撃激化“ドンバスの戦い”
ロシア軍は、ウクライナ東部の“ドンバスの戦い”に向け、兵士をおよそ1万人増員させるなど、戦力を集中させており、首都キーウのような市街地や森とは異なり、開けた地形の東部では、大規模な地上戦が予想されます。
そんなウクライナ軍に対しアメリカは、戦車部隊に大きな打撃を与えるとされる155ミリ榴弾砲や砲弾。さらにロシアによる侵攻前から開発が始まり、ウクライナ側からの要望を受け改良・開発された新型ドローン「フェニックスゴースト=不死鳥の亡霊」120機以上を支援すると発表しました。
ロシア軍の攻撃は新たな段階に移り、戦況はどう変わっていくのでしょうか。
(サンデーモーニング2022年4月24日放送)
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