州知事「まるで地獄」ウクライナ東部でロシア“総攻撃”開始・・・1日で街1つ制圧(2022年4月19日)

州知事「まるで地獄」ウクライナ東部でロシア“総攻撃”開始・・・1日で街1つ制圧(2022年4月19日)

州知事「まるで地獄」ウクライナ東部でロシア“総攻撃”開始・・・1日で街1つ制圧(2022年4月19日)

ウクライナ東部ドンバス地方で、ロシア軍が大規模な攻撃を開始しました。

CNN:「ウクライナの命運を分ける戦いの始まりでしょうか。ロシア軍がついに東部への攻撃を開始した模様です。前線で戦闘が激化しています」

ルハンシク州のルビージュネは、戦闘が激化した地域の1つです。砲撃音は街の郊外でも響いています。

住民:「どこから飛んできたのか分からなかった。ここでウクライナ軍が防衛してたから、最初はあっちから砲撃されると思った。そしたらあらゆる方向から撃ってきた」

郊外の民家は、ウクライナの守備隊が使っていたといいますが、すでにその姿はありません。

住民:「子どもたちに逃げなさいと伝え、ウクライナ軍はここに戦車を置いた。戦車が去ったらすぐに、家にロシア軍の爆撃があった」

ロシア軍が攻勢を強めた地域は、この街だけではなく、東部の広範囲に及んでいます。ルビージュネのすぐ西側にあるクレミンナや、その南に位置するポパスナ、さらにはハルキウ州の南部でも激しい戦闘が確認されたといいます。なかでも深刻なのが、クレミンナです。

ICTVウクライナ:「ルハンシク州クレミンナでの砲撃は、2軒の家を完全に破壊しました。さらに4軒の家が燃えており、住める状態ではないようです。ルビージュネでもアパートが攻撃され、住民が負傷しました」

これまでも激しい戦闘が行われてきたクレミンナですが、18日夜からロシア軍が猛攻を仕掛け、街は一気に制圧されたとみられます。ルハンシク州の知事によりますと、占領したロシア軍は民間人の車を銃撃し、4人が死亡したといいます。知事は“まるで地獄だ”と表現しました。

ルハンシク州、ガイダイ知事:「2カ月間でロシア軍は我々の兵士の位置をすべて把握し、爆弾や大砲などあらゆる手段で攻撃してきました」

クレミンナの制圧によって、ロシア軍はさらなる進軍も可能になったという見方も出ています。

CNN:「今後、予想される展開は、ロシア軍が北東から進軍して東部のルハンシクから入り込み、南から進軍することも考えられます。ロシア軍はクレミンナに入ったそうで、この町から作戦を展開して、クラマトルシクに向かうと見込まれます」

ロシア、ラブロフ外相:「今回の作戦は新たな段階に入っていて、作戦全体の大きな節目となるはずだ」

すぐ目の前まで迫りつつある戦火。ロシアの進攻先とされる地域には、今も7万人の一般市民がいます。“攻撃が始まる前に今すぐ避難を”ドンバス地方の各地で、当局が呼び掛けています。

ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「今、ロシア軍は長い間準備してきた“ドンバスの戦い”を開始した。この攻撃のため、ロシア軍の大部分が集中している。ロシア兵がどれだけ動員されようと我々は戦う。我々は国を守る。決して何も渡さない」

徹底抗戦の構えを改めて示した最高司令官。ただ、南東部で孤立したマリウポリの状況は、一刻を争う状態です。マリウポリのアゾフスタリ製鉄所の内部とされる映像。工場の地下シェルターと思われる場所には、高齢者や女性、小さな子どもが目立ちます。

女性:「ここに私の両親と息子がいます。息子は来た時3カ月でした」

女性:「最初はたくさん食べ物があり、在庫は1年あると言われました。その後、1カ月しかないと言われ、今は分かりません」

子ども:「(Q.ここから出たいですか?)とても出たいです」

この映像は、製鉄所を守備するアゾフ連隊が撮影し、SNSに投稿されたものです。このようなメッセージを世界に向けて。

アゾフ連隊、プロコペンコ中佐:「今、アゾフスタリの工場には数百人の民間人がいます。その中に様々な年齢の子どもたちがいます。女性や高齢者など、マリウポリを守る者の家族たちです。ロシアは民間人がいることを知りながら爆弾を投下しています。だからこそ文明国のリーダーに呼び掛けます。人道回廊を作ってください。私たちに安全の保証をください」

市民と兵士、合わせて2000人ほどがいるという製鉄所。アゾフ連隊の別の司令官に話を聞いて分かったのは、もう“ギリギリ”だということです。

アゾフ連隊、マキシム司令官:「中には兵士や海兵隊の一部、警察、国境警備隊など合わせて約1000人の戦闘員がいる。対して1万4000人のロシア軍に囲まれた。攻撃は毎日で、空爆が1時間に1回、砲撃は30分ごとだ」

ロシアの侵攻開始以来2カ月の間は、この製鉄所から市街地に出撃し、押し寄せるロシア軍と交戦していました。ただ、最近になって戦況は悪化。製鉄所内での籠城戦を余儀なくされたのは、1週間ほど前からだといいます。

地下シェルターは空爆に耐えることを想定した頑丈なものですが、援軍がこなければ状況は悪くなる一方です。

アゾフ連隊、マキシム司令官:「製鉄所内には野戦病院があり、負傷した兵士と市民の治療が行われている。倉庫には弾薬や食料などがあるが、食料があまり残っていなくて大きな問題になっている。50日以上いるので、物資はかなり乏しい。製鉄所が止まっていて(武器や弾薬を)つくれない。第2次世界大戦と似ている。これがマリウポリの現実だ」

ロシア軍は、製鉄所内のウクライナ兵に対し、日本時間19日午後8時~午後10時までに製鉄所から出て行くよう、降伏勧告をしました。その期限が過ぎましたが、降伏したなどという情報は入ってきていません。

ロシア側はこんな言葉でも脅しをかけています。

親ロシア派“ドネツク人民共和国”報道官:「施設を襲撃するための特殊部隊が活動を開始していて、自称“ウクライナ国民の救済者”が投降することを願っている」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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