日ロサケマス交渉難航 今後は「こんぶ・サンマ」も品薄の懸念
ウクライナ情勢は私たちの食卓にも影響を及ぼす可能性があります。現在、ロシアと漁業交渉中のサケに始まり、今後はサンマなども品薄になるかもしれません。
染み出す脂。間もなく旬を迎える産卵前の若いサケ「ときしらず」です。海で獲れる「ときしらず」は、産卵に栄養を奪われておらず、脂ノリの良さが特徴です。
このサケを毎年、根室から仕入れるというこちらの店、ある悩みが・・・
根室食堂 平山徳治店主
「最悪今年はないと思う。やはりロシア関連の中で」
店主が気にしているのは、日ロサケマス漁業交渉の行方です。
サケは産卵のときに産まれた川に戻る性質があるため、産まれた国の資源という国際ルールがあります。このルールによって日本の経済水域内であってもロシアに起源をもつサケを獲るにあたり、毎年、ロシアとの間で漁獲量や支払う漁業協力費を決めているのです。
しかし・・・
記者
「本来であれば4月10日の午前0時に漁が解禁されるはずですが、今年はまだ船が陸揚げされたままの状態です」
日本が経済制裁を科す中で、交渉の開始が大幅に遅れました。現在も交渉が始まって5日、まだ続いています。
きょう、交渉の行方について問われた金子農水大臣は・・・
金子原二郎農水大臣
「交渉の進捗状況につきましてはお答えすることは差し控えますが、まずサケマスの交渉がどういう風になるかが大事」
日本とロシアの間にはこの他にも重要な漁業交渉があります。
▼6月から始まる北方四島の歯舞群島の一部、貝殻島周辺で行うコンブ漁、そして、▼7月から本格的に始まるサンマ漁などに関する操業条件を毎年取り決めます。
今回のサケマス交渉が仮に決裂した場合、今後のコンブやサンマといった漁にも影響を与える可能性があるのです。
コンブ漁師
「貝殻島コンブ漁も決まってもらわないと生活にも関わってくる」
しかし、世界的に経済制裁を強めるなか、多くの漁業者と私たちの食卓を守るためにロシアにお金を払うことが適切なのか。去年はサケマス交渉に関連して2億6000万円支払われています。
根室食堂 平山徳治店主
「なんか複雑。(経済制裁の重要性は)わかってはいるけど、この状況がずっと続いてしまうと失業者がものすごく増えるのではと懸念」
様々な思惑が交錯する中、国は難しい判断を迫られています。
(15日15:44)
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