PCR検査せず“胃腸炎と誤診断”も、オミクロン株で子どもの嘔吐など急増か

PCR検査せず“胃腸炎と誤診断”も、オミクロン株で子どもの嘔吐など急増か

PCR検査せず“胃腸炎と誤診断”も、オミクロン株で子どもの嘔吐など急増か

感染者の高止まりが続く新型コロナウイルス。のどの痛みなどが特徴とされるオミクロン株ですが、子どもについては、間違って「胃腸炎」と診断され、その後に感染が判明するケースが増えていることが分かりました。

よちよち歩きを始めた1歳の男の子。今月、両親とともに新型コロナに感染しました。

母親
「私とか夫は、明らかにのどの痛みとか咳とか聞いていたコロナの症状でした」

両親はのどの痛みなどオミクロン株の典型的な症状を発症しましたが、1歳の長男は・・・

母親
「(子どもは)熱も最初の方は出てなくて、下痢と食欲不振の症状が主でした。吐いたんだみたいな感じで」

「胃腸炎」のような症状に最初は「コロナ」だと思わず、念のために受けたPCR検査で感染が判明したといいます。

実は今、嘔吐や下痢などの症状で受診し、「胃腸炎」と診断された子どもが処方された薬でも改善せず、その後の検査でようやくコロナ感染が判明するケースが増えているのです。SNS上にも。

「3歳娘がコロナ陽性発覚。2回嘔吐があって胃腸炎と診断されてたけど・・・」
「子どもがコロナ陽性に。いつもの胃腸炎と同じ症状」

こちらの保育園でも2月、『胃腸炎』のような症状が急増。病院に行った園児たちもほとんどがコロナの検査はしなかったといいますが。

キャンディパーク保育園 平井保育士
「『ウイルス性の胃腸炎』と診断が下ったので、保育園に通っていいよ。そしたら(その後)1人がコロナ陽性と判明したので、後々気付くとコロナだったかもしれない」

首都圏にある、こちらの小児科では・・・

あい小児科 丸山善治郎理事長
「(別の病院で)胃腸炎と診断されたけど、やっぱりコロナではないかと来る方は非常に多い」

発熱がなく、いったん「胃腸炎」と診断されたものの、その後、症状が改善せず、PCR検査を受けにきた子どものうち、およそ半数がコロナ「陽性」だといいます。

あい小児科 丸山善治郎理事長
「オミクロンの症状で嘔吐したり、食欲がなくなる胃腸炎の症状を呈することが多くあります」

日本小児科学会の統計では、新型コロナの感染者で嘔吐など胃腸炎のような症状が出た子どもは、デルタ株の流行時に6.1%だったのに対し、オミクロン株の流行後は14.5%まで増えているのです。

なぜ子どもにこうした症状が出るのでしょうか?

医師は、のどに症状の出やすいオミクロン株との関係を指摘します。

あい小児科 丸山善治郎理事長
「子どもの場合は、喉の症状をうまく訴えられなくて吐いてしまう、そういったことにつながって胃腸炎という診断。胃腸炎を疑ったら、すぐ薬局に行って抗原検査をすると」

厚労省は、PCR検査が受けられなくても積極的な抗原検査キットの活用を呼びかけています。
(14日17:07)

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