オリンピアンまで ウクライナ支援の輪広がる

オリンピアンまで ウクライナ支援の輪広がる

オリンピアンまで ウクライナ支援の輪広がる

ウクライナをめぐる支援についてお伝えします。現地・ウクライナではオリンピック出場選手が。日本国内では有名シェフがおにぎりを配って。それぞれの形で支援をしています。

■ロシア軍 東部で大規模作戦「全てが燃えみんなパニックに」

ウクライナ東部ドネツク州のクラマトルシク。駅の前では警察が警備にあたり、その近くにはぬいぐるみと花が手向けられていました。この場所で4月8日、子ども5人を含む、57人が犠牲となるミサイル攻撃が発生。

現場にいた人:
「悪夢です。全てが燃え始め、みんなパニックになりました」

ウクライナのゼレンスキー大統領は4月10日、次のように述べました。

ゼレンスキー大統領:
「ロシア軍はウクライナ東部での大規模作戦に向けて動いている」

ロシア軍がこれから東部での攻勢を強め「さらに多くのミサイルや空爆を仕掛けてくる可能性がある」と危機感をあらわにしています。

ウクライナ検事総長:
「4月10日の朝までの調査でキーウ州だけで死者は1222人にのぼっています」

多くの民間人が殺害されたキーウ州では、凄惨な状況が日々明らかになってきています。

■現地で支援を続けるオリンピアン 「何も残っていない」

キーウ市議会議員 ザンタラヤさん:
「すべてが破壊されていて、道にはミサイル(の残骸)が落ちているし、人間の遺体が横たわっています」

こう話すのはキーウ市で市議会議員を務める、ザンタラヤ(34)さん。実はこの方、2021年行われた東京オリンピックに柔道66キロ級のウクライナ代表として出場したオリンピアンです。選手として活躍する傍ら、2020年8月には市議会議員に当選。現在は、ゆかりのあるヨーロッパの柔道クラブなどから支援物資を集め、キーウ市やその近郊に住む人々に食料品や薬を配るボランティア活動を行っています。

ザンタラヤさん:
「キーウ近郊に残された人々は、いま支援を必要としています。何も残っていません。何も持っていないままの状態になっているのです」

日々、支援活動を続けているザンタラヤさん。日本の柔道選手からも支援の申し出があったといいます。

ザンタラヤさん:
「(日本の選手たちは)一番最初に我々に支援を申し出て、また実際に支援をしてくださったのです。私は日本の選手たちに非常に感謝しています」

■広がる日本での支援 「少しでもウクライナを助けたい」

ウクライナへ募金するため、東京・港区では朝から行列ができていました。1000円以上の寄付をした人におにぎりが配られ、鯛飯(たいめし)と牛しぐれの2種類、合わせて約2000個が用意されました。

寄付した人:
「小さなことでも参加して力になれたらいいなと思いました」

企画したのは、ミシュラン二つ星の南青山のレストラン「NARISAWA」のオーナーシェフ成澤由浩さんたちです。

集まったお金は全額ユニセフの「ウクライナ緊急募金」に送られ、おにぎりの材料費は、成澤さんらがすべて負担するといいます。

NARISAWA 成澤由浩オーナーシェフ:
「今後、日本全国で食に携わる人たちがウクライナのために具体的な行動として何かをするきっかけになればいいと思っています」

おにぎり作りに参加していたのは、3月下旬にウクライナ東部、ドニプロから避難してきたというマリーナさん親子。

避難してきたマリーナさん:
「ウクライナを応援することができてうれしいです。少しでもウクライナを助けたいです」

7歳の息子、ラミールくんも手伝いました。

この募金イベントは、5月以降も開催を計画しているといいます。

■在日ウクライナ大使館には各地から支援物資が山積みに

東京・港区の一室では、在日ウクライナ大使館などに日本各地から届いた支援物資が山積みになっていました。ボランティアで作業をしているのは、日本に長く住むウクライナ出身の女性たち。ひとつひとつを開封して、中身を確認し仕分けしています。

末導ホルツ欧里香さん:
「困っている姿をみて、手をこまねいていられないんですね」

オムツなどの衛生用品のほか、防寒対策のための衣服やカイロなどが多く届いたといいます。今後、在日ウクライナ大使館がチャーター便を手配してウクライナへ送られるということです。

(11日19:18)

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