プーチン氏「支持率83%」なぜ?支持者のある特徴(2022年4月10日)
83%・・・この数字は独立系の調査機関が発表したプーチン大統領の最新の支持率です。ウクライナ侵攻前よりも10ポイント以上、上昇しました。
なぜこれほど高い支持率を記録しているのか?その答えが、地方都市、極東のサハリンから見えてきました。
▽極東サハリンも・・・ロシア軍の「Z」
首都モスクワからおよそ7000km、人口およそ20万人。サハリン州の州都・ユジノサハリンスクです。
公園の施設には、ロシア軍のシンボル、「Z」。さらに、車の窓にも「Z」。
(市民)「このサインはファシズムとの戦いのシンボルです。我々のロシア軍はファシズムと戦っている。ナショナリスト、ファシストを脱ナチ化するのです」
極東の地から戦地に連帯の気持ちを表す市民たち―
侵攻からおよそ1カ月半。経済制裁による暮らしへの影響に目を向けると・・・
(市民)「レシートの値段は1カ月半前と同じ。(制裁の影響を)全く感じていない」
この日のガソリン価格は、1Lあたり、およそ100円。こちらのスタンドでは、今のところ大きな変動はないといいます。
市内のスーパーマーケットをのぞいてみると・・・ハムやサハリン産の乳製品など、品切れで空になった棚は見当たりません。
「砂糖です。十分な量があって、買い占める人はいません」
10%ほど値上がりしたものの、在庫は十分のようです。
(店の客)「大丈夫です。全部普通に買えました。足りないという人はアメでもなめていたらいい」
▽孤立深める中・・・プーチン氏「支持率83%」
ロシアの独立系調査機関・レバダセンターが発表した、プーチン大統領の支持率は83%。調査はロシア全土53の地域で1600人を対象に対面方式で行われました。
「高い支持率をマークしているのは、西側の制裁が効いていないからだ」。
こう指摘するのは、レバダセンターの元所長で、現在も調査分析を続けるグドゥコフ氏です。
(独立系調査機関レバダセンター レフ・グドゥコフ研究部長)
「今のところ制裁を感じているのは大都市です。モスクワ、サンクトペテルブルク、エカテリンブルグ、大都市の住民たちです。半数以上の国民が自分の生活に経済制裁の影響は出ていないという結果が出ています」
▽プーチン支持者「先制攻撃しなければ」
ユジノサハリンスク市内の住宅街。プーチン大統領を支持しているというフセーボロドさん夫婦です。
食事の際も気になるのは・・・
(ロシア24)「ウクライナ軍からの砲撃により、子供2人を含む44人が負傷した」
国営放送のニュースチャンネルです。
(エカテリーナさん)「良心が全くないわ。道徳意識がない」
(ロシア24)「どうしてそんなことになるんだ。彼ら(ウクライナの武装勢力)は私たちを人間とは思っていない・・・」
フセーボロドさん夫婦は「事実を伝えているのは国営放送だけだ」と訴えます。
(エカテリーナさん)「最近までユーロニュース(西側のニュースチャンネル)を見ようとしましたが、残念ながら、そこでの情報は真実ではありません。私たちロシアの放送とすべて矛盾しています」
(フセーボロドさん)
「(西側の報道は)信頼ができません。いつも論争と矛盾ばかりです」
政府の補助金を受けずに独立系として調査を続けてきたレバダセンター。プーチン大統領の支持層にはある特徴があるといいます。
(レフ・グドゥコフ研究部長)
「教育水準が低く、高齢者で、地方都市に住み、所得が低い人。ソビエト時代を懐かしがっている人です。」
「こうした人たちにとって、情報源はテレビなのです。プロパガンダやデマに満ちた国営テレビです」
Q.プーチン大統領を支持していますか?
「はいもちろん応援しています。ウラジーミルは素晴らしく、立派な大統領でみんな愛しています。」
「(経済制裁は)全く効果がなく、元気に過ごしています。大統領の政策は私の考えに近く、我が国のために正しいことをしている」
「テレビでは、(ウクライナの)ナチズム、バイオ研究、ドンバス襲撃などを報じています。戦争は良くないが、他に方法がないのであれば、先制攻撃しなければならない」
とりわけ地方都市で支持を固めるプーチン大統領。今のような高い支持率はいつまで続くのでしょうか。
(レフ・グドゥコフ研究部長)
「支持率低下の兆候はおそらく今年の夏頃から表れてくるでしょう。経済制裁の効果が表れ始めるだけでなく、戦死者の数が明らかになります。数カ月後、プーチン大統領の支持率は明らかに下がると確信しています。私たちはまだこのプロセスの初期段階にいるのです」
4月10日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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