「中国へのけん制か」林外務大臣がNATO外相会合に参加 専門家に聞く(2022年4月7日)

「中国へのけん制か」林外務大臣がNATO外相会合に参加 専門家に聞く(2022年4月7日)

「中国へのけん制か」林外務大臣がNATO外相会合に参加 専門家に聞く(2022年4月7日)

G7やNATO(北大西洋条約機構)の外相会合がベルギーのブリュッセルで相次いで開かれました。G7外相会合の共同声明では、強い言葉でロシアを非難しています。

▽ブチャ及びその他のウクライナの町における大虐殺は、国際法及び人権の深刻な侵害のリストに刻まれる

▽クリミアを含むウクライナの領土全域から軍と装備を完全に撤退させるよう強く求める

▽化学、生物または核兵器による威嚇やその使用に対して警告する。そうした兵器のいかなる使用も
受け入れられず、深刻な結果をもたらす

軍事支援に関しても、軍事装備や資金を含め、さらなる支援を提供する用意があると表明しました。

◆ブリュッセルにいる金指光宏記者の報告です。

ウクライナのクレバ外相は『非常に具体的な措置を講じるという強い決意を感じた』とツイートしています。NATOに先駆けて行われたG7の外相会合では、共同声明で『民間人に対する残虐行為を行った者は訴追されるべきだ』としたうえで『今こそロシアの国連人権理事会のメンバー資格を停止する時だ』と踏み込みました。また、ロシアの化学兵器・生物兵器・核兵器の使用は受け入れられないとして『使用は深刻な結果をもたらす』と改めて警告しました。

一方、クレバ外相が求めていた強力な制裁で合意したかは不明です。イギリスの外相は会合前に『ロシアへのエネルギー依存解消のスケジュールついて合意を目指す』と言っていましたが、発表されたG7の声明には、そのような記載は見られませんでした。

◆防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんに聞きます。

(Q.共同声明をどうみましたか)

具体的な表現で、踏み込んだ内容になったと思います。今回の残虐行為への批判、ロシア軍の撤退、生物化学兵器・核兵器の使用への警告と、ロシアに対して主張すべきことは強い表現で盛り込まれたと思います。G7として強い問題意識の共有が図れたのではないかと思います。

(Q.軍事装備や資金の支援については、ウクライナの主張を受け入れたということですか)

一定の理解を示したということだと思います。ただ、日本も参加するG7ですので、NATOなど別の枠組みで軍事支援についてどこまで踏み込むかが議論されると思います。

(Q.NATOの会合には、日本から林外務大臣が“パートナー国”として参加しました。日本の外務大臣がNATOのこうした会合に出席するのは初めてということですが、どう分析しますか)

NATOはアメリカ・カナダ・ヨーロッパの30カ国で構成されるものですが、ここに今回、日本・韓国・オーストラリア・ニュージーランドなどの外相が参加したということで、欧米のみならずアジア太平洋地域のパートナー国も一緒に足並みを揃えながら、ロシアに対して国際的な連帯を図っていこうという狙いがあると思います。

また、あえてアジア太平洋諸国の外相をも入れることによって、中国がロシアに支援することがないように釘を刺すような狙いもあると思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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