ロシア軍「汚れを清めに」ブチャ虐殺で“公開処刑”か ※動画視聴の際はご注意下さい(2022年4月6日)
国連安全保障理事会で、オンラインで演説したウクライナのゼレンスキー大統領は、「第2次世界大戦以来、最もひどい戦争犯罪がロシアにより行われている」と非難しました。
また、これから流れるVTRには、遺体の映像が含まれています。「つらい」と感じる方は、無理なさらないで下さい。
■取材班 車動かず・・・命からがら脱出
CNNベン・ウィダマン記者:「こっちだ!カメラを回し続けろ!あそこが見えるか?」
砲弾に襲われたのは、ウクライナ南部の都市・ミコライウ近郊で、取材中のアメリカCNNのスタッフです。
指差した先に、土煙が立ち上ったのが見えた途端、砲弾が連続して襲います。
通訳:「ここを離れて」
取材陣は、身を隠すことができない草原を駆け抜け、車にたどり着きます。ところが、2台のうち1台が動きません。
無事な1台に、ギュウギュウ詰めで命からがらの脱出劇となりました。
■ロシア「虐殺はフェイク」と否定も・・・
こうした激しい攻撃によって、ウクライナは、各地で悲惨な状況となっています。
ロシア軍撤退後に、300人以上が殺害された状態で見つかったとされるキーウ近郊の町・ブチャを、ゼレンスキー大統領が訪問しました。
住民:「ここから200メートル離れた通りで、民間人12人が殺された。皆若くて、車やオートバイに乗っていた」
ロシア軍による“虐殺”が起きていたと訴えましたが、否定するロシアの主張が波紋を広げています。
ラブロフ外相:「西側は、ウクライナ危機に関してデマを流していて、ブチャのフェイク情報も、そこに入れようとしている」
ロシア側は、遺体が映っているという動画には“疑惑”があると指摘しました。
ロシア国防省:「遺体の手が動いている。バックミラーに見える遺体が起き上がる」
さらに、ブチャで見つかった遺体について、ロシア国防省は、すべての部隊が撤収する先月30日までは、なかったと反論しています。
しかし、イギリスのデジタル調査報道機関「べリングキャット」は、動く遺体について「スローにすると、画面上に点か雨粒があり、死体が動いているように見えるだけだ」とロシアの言い分を否定しています。
■“人工衛星”は見ていた・・・動画と一致
また、遺体が出現した時期については、ニューヨーク・タイムズが独自の分析で検証しました。
先月19日に撮影された衛星写真には、すでに遺体とみられる影が路上にあったことを示し、その場所は動画と一致。遺体は、ロシア軍の支配下にあった時からのものだと結論付けています。
■ボロディアンカ 犠牲者「ブチャより多い」
凄惨な現場は、ブチャだけではありません。
ゼレンスキー大統領:「ボロディアンカや、その他の解放された村々では、犠牲者の数がブチャより多いという報告がある」
ボロディアンカとは、キーウから50キロほど北西にある1万2000人ほどが住む街です。ウクライナ軍により解放された街の路上には、放置されたままの遺体があります。
男性:「すべてのアパートに泥棒が入って略奪し、すべてを破壊した」
3日に軍が用意したバスで、この街を訪れたという男性は、次のように話します。
3日にボロディアンカ訪問・ロシュコフさん:「9階建ての建物が全壊していた。何人の人が、がれきの下で死んだのかは分からない。たくさんの人が死んだのだろう」
ウクライナのベネディクトワ検事総長は、ボロディアンカは「最悪の人的被害」が起きたと訴えています。
■惨劇・・・ロシア軍「汚れを清めに来た」
また、ブチャで虐殺の証拠を集めるべく調査している国際人権団体によると、目撃者の証言として「公開処刑」が行われていたといいます。
広場に40人ほどの住民が集められた後、ロシア軍は5人の男性をひざまずかせ、そのうちの1人を後頭部から銃撃。その際、司令官は、こんな言葉を口にしていたというのです。
ロシア軍司令官:「これは、汚れだ。我々は、汚れを清めに来た」
残る4人もその後、殺害されたといいます。
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」危機・紛争調査担当者:「故意の殺害が行われたことを示す、強い兆候がある」
ウクライナ国防省は、「虐殺」などの戦争犯罪に加担したとする、1600人以上のロシア軍兵士の個人情報を公開しました。
「市民に対する残虐行為について、すべての戦争犯罪者は裁判にかけられ、責任を負わされる」と非難しています。
(「グッド!モーニング」2022年4月6日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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