大阪大、iPS細胞で視力著しく改善。将来は薄毛の悩みも解消。
大阪大学の研究チームは、iPS細胞から作った角膜組織を移植する手術を成功させ、安全性が確認されたと発表しました。
移植から1年が経過しても拒絶反応などは見られなかったうえ、4人のうち3人は視力が著しく改善したということです。
進むiPS細胞。私たちの未来はどのように変わって行くのでしょうか?
専門家に取材すると、時間はかかるものの、新しい歯を手に入れることも夢ではない、薄毛の悩み解消も夢ではないそうです。
その他、美肌や若返りにも変化はあるのでしょうか?
■角膜組織の移植 視力改善も
日比麻音子キャスター:
さて今回の発表について改めてこちらでご紹介していきたいと思います。
大阪大学の西田教授らの研究グループの発表によりますと、
iPS細胞を使って目の角膜が白く濁った状態だったものが、この角膜組織の移植の手術をしたことによって改善した。手術が成功したと発表がありました。
研究の内容ですが、患者は30代から70代の男女4人です。
安全性については、拒絶反応であったり腫瘍ができたりすることは、4人全員確認されませんでした。また有効性についても、4人中3人が著しく視力が改善したそうです。
中には、矯正視力つまり眼鏡やコンタクトレンズをつけた状態での視力というのが0.15だったのが0.7まで向上した方もいました。こういった移植の手術を早ければ3年後の実用化に向けて動き出すということです。
井上貴博キャスター:
こういったiPS細胞は、脊髄損傷患者の方を待ち望んでいる日本の高い技術力と言われてます。
星浩コメンテーター:
中国とか外国もどんどん追いついてきてるらしいです。日本もそれに負けないで対応してもらいたいと思いますけど、ただあまりいろんな分野をやりすぎるというよりも、やはりどうしても必要な難病とか、そちらの分野の方に重点的に振り向けてもらいたいと思います。
ホラン千秋キャスター:
どれくらいiPS細胞で、例えば今回でいうと角膜を作るのが、角膜というのは小さいサイズですけど、それがどれくらい難しいのか、それとも私たちが思っている以上に簡単にできるのか。その辺りもわかると、どんどん広げていけるのかがわかりそうですよね。
■iPS細胞を使った今後の将来性・可能性
日比キャスター:
iPS細胞を使った今後の将来性・可能性について調べました。まずは、虫歯といった歯の治療についての可能性です。
■iPS細胞で虫歯は治る?
日比キャスター:
まず虫歯について、治るのでしょうか?
東北大学大学院歯学研究所の江草宏教授によりますと、実際にこのiPS細胞を使った治療に関しては研究にかかる時間や労力、コストなどを考えますと、現時点であるセラミックなどのかぶせ物を使った治療というのが有効的・現実的だそうです。
ですので、iPS細胞を使って治療というよりかは今ある治療方法でも十分なんじゃないかといったことなんです。
ただ歯の治療に関して、iPS細胞を使ってこういったことができるかもしれないということです。それが新しい歯を1から作るということです。
現時点では抜けてしまった歯をiPS細胞を使って、1から再現する、再生するといった治療です。現時点では、試験管の中で歯を作るという研究を進めているという状態ですので、
まだまだ研究が進められている中ではあるんですが、そもそもこの歯が抜けてしまう原因の一つには、あごの骨がもろい・弱いということがあるそうで、iPS細胞を使ってあごの骨を再生するといった研究も進められているそうです。こちらの研究に関しては、試験管の中で骨を作って、動物などに移植するといった実験が行われている段階で少し進んでいるようです。
先生によりますと、新しい歯を手に入れるというのは夢ではないけれども、安全性を担保してコストの問題をクリアするには、まだまだかかるのではないか、10年以上かかるのではないかというご指摘でした。
井上キャスター:
逆に言うと10年以上で、実現できるんですね。
2030年代、40年代にはできているかも知れない。
ホランキャスター:
すごいですね。硬い質感のものも作れるんだと思って。
■薄毛も治せる?
日比キャスター:
まだまだ可能性が広がっているのです。
続いては、毛の治療などについて、薄毛など治せるのでしょうか?
理研の生命機能科学研究センター・辻考チームリーダーにお話を伺ったところ、iPS細胞を使って、毛包のモトを作るということはできるそうなのです。どういうことかというと、毛穴の縁にあるのが毛包といった部分なのですが、この毛包というのは、髪の毛を作る工場のような役割を果たしているわけです。
毛包のモトをiPS細胞で作ることは可能。
毛包のモトを頭皮に針で穴を開けて、植えていくそうです。田植えのように。ポイントは毛が正しい方向に入るようにガイドをつける。糸のようなものでガイドをつけて、その植え付けた毛包からガイドに沿って生えるようなやり方をする。そうすると安定した毛穴ができるそうなのです。どんな毛が生えるのか、赤ちゃんのような薄い毛になってしまうのではないかと思いがちですが、理論上では大人の頭皮に植えればしっかりとした大人の毛が生えてくるそうです。実用化はいつからになるのでしょうか?こちらもまだまだ時間がかかりそうです。コスト・時間もかかるので実用化は何十年も先なんじゃないか、でもこんな可能性も見えてきています。
井上キャスター:
特に男性にとって薄毛は永遠のテーマで、私自身、先週、育毛剤を使い始めました。
始めました。もう予防の予防で早めにやったほうがいい、相談して。
ホランキャスター:
男性だけじゃない女性も年齢を重ねると性別関係なくあるのでね。
井上キャスター:
星さん何かやっていらっしゃいますか?ごめんなさい、プライベート踏み込んで。
星コメンテーター:
私父親がかなり相当さっぱりしていたようなので、遺伝的にそうなるのかなと思いつつ、それほどでもないので、年相応に薄くなればいいかなと思ってるのです。
井上キャスター:
いや、ふさふさしていらっしゃいます。
■iPSで美しく?若返り?
日比キャスター:
最後は、お肌の状態についてですけれども、美肌になりたい、しみやしわなどが何とかならないかしらなんて思いもあるかと思いますが、こんな研究が進められています。化粧品メーカーのコーセーの研究によりますと、ある67歳の男性の肌の細胞を長い期間、細胞をいろいろと採取しましてデータを蓄積していた。その結果として、iPS細胞を使ったら36歳のときの肌細胞と同じ状態に戻すことができたそうなのです。
井上キャスター:
顕微鏡内で戻せたということ?
これ36歳のときと同じように細胞レベルでも同じ?
日比キャスター:
お肌を再生する細胞をまた取り入れることができた。若いときですと赤ちゃんの肌ってやっぱり時間が経っても、垢などになって、また、つるんと戻りますよね。ただ、年を取れば取るほどその再生する機能というのが衰えていくそうなのです。
ただ、36歳のときと同じような肌を再生する能力をiPS細胞によって、取り戻したというか再生したということのようなのです。
ホランキャスター:
そのものが36歳の状態に戻るよりかはその能力が戻ってくるそうなのですね。
日比キャスター:
そうなのです。再生する能力がiPS細胞によって再生されたということのようなのです。外的ストレスに強い状態に戻ったこんな研究が進められているそうです。夢の若返りなんてできるのかしらなんて期待も膨らみますけれども、担当者の方によりますと、iPS細胞入りのクリームが販売するよと言ったわけではない。商品化といったわけではなくて、老化の原因を解明して、肌トラブルの解消に役立てていきたいとの思いがあるそうです。
井上キャスター:
可能性レベルですけど、67歳の方ってことは私の父親が私と同じレベルの肌細胞に戻るものを手に入れられるってことですね。
星コメンテーター:
私66歳ですからね。
ホランキャスター:
可能性としてはいろんな夢が待ってるってことですよね。
日比キャスター:
まさに時間とコストをかけていろんな可能性が探られていますね。
ホランキャスター:
楽しみになりました。
(05日21:12)
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