【独自】マリウポリの現実「ペットを食べるように・・・」 市民10万人“包囲”で餓死者も(2022年4月5日)

【独自】マリウポリの現実「ペットを食べるように・・・」 市民10万人“包囲”で餓死者も(2022年4月5日)

【独自】マリウポリの現実「ペットを食べるように・・・」 市民10万人“包囲”で餓死者も(2022年4月5日)

 先月中旬に撮影された激戦地・マリウポリの避難所内の映像で、市民ボランティアが配っているのは、避難の仕方などを記した冊子です。

■1万人以上の市民・・・水を求め殺到

 元々、トレーニング施設だったという避難所。窓に目張りがされているうえ、電力不足のため、日中も薄暗いままです。

 ロシア軍に包囲され、今も10万人以上の市民が取り残されているマリウポリ。映像に映っていただけでも、避難所には、100人以上の子どもや高齢者が身を寄せ合っていて、廊下にも人があふれていました。

 避難所ボランティア トゥゾフさん:「私の名前は、エフゲニー・トゥゾフ。この街で、トレーナーをしています。私は、あなたたちと同じ民間人です。手伝えることがあれば、すべてやります」

 給水車の上に立って話す男性。その周囲には、数え切れないほどの人々の姿があり、中にはポリタンクを持って待つ人もいました。

 男性によると、この時、1万人以上のマリウポリ市民が、水を求めて殺到したといいます。

■「住民はペット食べるように・・・」

 番組は、給水車の上で話していたトゥゾフさんに、話を聞くことができました。語ってくれたのは、耳を疑うような現実でした。

 トゥゾフさん:「マリウポリほど、人道危機がひどい街はない。住民は、ペットを食べるようになり、水たまりの水をくんで使うようになった。野良犬は、道路に放置された遺体を食べていた」

 マリウポリには、国際赤十字も食料や医薬品の物資を届けることができず、市民の中には、餓死する人も出てきているといいます。

■「タトゥー検問」で“ネオナチ狩り”

 トゥゾフさんは、ロシア軍の侵攻後も街に残り、食料の手配や避難所の開設などに奔走してきたといいます。

 しかし、その間も、ロシア軍による攻撃は激化。先月19日、トゥゾフさんの避難所にも、ロシア軍の戦車が近付いてきたため、街を離れざるを得ませんでした。

 トゥゾフさん:「多くの車が燃えてしまったが、車に動かなくなった車をつなぎ、大勢の人を乗せ、引っ張りながら進んだ」

 その避難も、まさに“命がけ”でした。

 トゥゾフさん:「500メートルごとにロシア軍の検問所があり、男性は服を脱がされた」

 街道沿いに、何カ所も検問所を設置しているというロシア軍。兵士は、タトゥーが入っている男性を“ネオナチ”だとして拘束していたといいます。

 タトゥーを入れているトゥゾフさん。見つかれば、捕まって、命の危険もある絶体絶命の危機。しかし・・・。

 トゥゾフさん:「地元なので、地図にのってない狭い道も熟知している。ロシア軍を避けながら移動した。車列を作り、警戒しながらザポリージャ方面へ向かった」

 地元の人だけが知る田舎道を使うことで、検問をかいくぐることができたといいます。

■祈るのはやめて「現実的な支援を」

 そんなトゥゾフさんが今、最も訴えたいことです。

 トゥゾフさん:「皆さんは“God bless Ukraine”と祈るのはやめて下さい。現実的な支援をして下さい。祈っても無駄なのです。祈っただけでは、子どもの命を救うことも、高齢者に食事を提供することもできない」

(「グッド!モーニング」2022年4月5日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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