“麺ショック”そば・うどん・ラーメン・・・“侵攻”でさらに値上げ危機 「米粉」に注目(2022年3月30日)

“麺ショック”そば・うどん・ラーメン・・・“侵攻”でさらに値上げ危機 「米粉」に注目(2022年3月30日)

“麺ショック”そば・うどん・ラーメン・・・“侵攻”でさらに値上げ危機 「米粉」に注目(2022年3月30日)

 ロシアによるウクライナ侵攻で、私たちの国民食とも言える「そば」や「うどん」「ラーメン」などが、さらなる値上げの危機に瀕(ひん)しています。

■“麺ショック”さらに値上げ?

 一杯のかけそば、230円。大きなゲソが乗った自慢の太そばは、450円。安くておいしい、そばが今、値上げの危機にあります。

 東京・日暮里にある立ち食いそば店。今、直面しているのが・・・。

 「一由そば」・佐久間昇店長:「10円、20円は上がるっていう、原価が上がっちゃうっていう話ですね。ロシア産のそば粉が入ってこない。そば粉が品薄になってしまって、(製麺会社から)どうしても値上げすると聞いています」

 実は、この店は去年12月に、コロナ禍の物流コスト上昇を理由に、全品一律10円値上げしたばかりです。

 安さを「売り」にしてきただけに、そば粉のさらなる値上がりは大きな打撃となります。

 佐久間店長:「存続の危機ですね、業種的に。1杯、その儲け率、原価率とか、その辺をギリギリ抑えて、たくさん売って、喜んでもらうっていう形なので」

 ロシアは、そばの生産量が世界一。全体の半分近くを占めています。

 日本人になじみの深いそばですが、ロシアでも、そばの実を使った料理が広く親しまれてるのです。

 そばの実をゆで、塩で味付けしたシンプルな「グレーチカ」。そばを使った定番の料理です。

 輸入先としても、ロシアは、中国、アメリカに続いて3番目となっています。

 この店では、主に中国産を使用していますが、ロシア産の品薄に連動して、値上がりしてしまうのではといいます。

 佐久間店長:「うちらの生活も・・・死活問題は、もう目の前に来てると思っています」

 常連客:「(値上げは)やっぱりきついでしょうね。どこかで節約しなきゃと思いますよね」「世の中、皆(価格が)上がってるから、これはしょうがないですよね。10円、20円、100円くらいまでは容認しなきゃならないでしょうね」

■ロシア産そば「入ってこない」

 ロシア産のそばの特徴は、価格の安さだといいます。

 世界中からそばの実を輸入する会社では、外国産のおよそ15%をロシア産が占めています。しかし・・・。

 株式会社新糧・駒板茂樹社長:「2月分までは入ってきていますけれども。3月以降については、今のところ輸入が止まっている状態です」

 その理由は・・・。

 駒板社長:「国際銀行間の取引(SWIFT)から、ロシアを除外するということで。ドルの送金がしづらくなってきている状況。まず、お金が送れない。(欧米)西側諸国のコンテナ船が、ロシアの荷物の引き取りを拒否しているので、ロシアから日本に運ぶ術がなくなってきていると」

 さらに、原油の高騰や円安も相まって、今後、ロシア産だけでなく、外国産のそばの値上げが加速する可能性があるといいます。

■「米粉」問い合わせ急増

 そばやうどん、中華麺などの材料である小麦粉も高騰し、麺類の値上げが相次ぐ“麺ショック”。そんななか、新たな原料として注目されているのが「米粉」です。

 丸亀製麺などを運営するトリドールホールディングスは、米を原料とした麺「米線(ミーシェン)」のレストランを31日、新宿にオープンします。

 香港で、およそ80店舗を展開する人気チェーン店です。

 そば、うどん、ラーメンに次ぐ“第4の麺”として期待されています。

 小麦粉の代替品として、米粉に熱い視線を送る企業は、他にもあります。

 みたけ食品工業・武内秀行会長:「こちらが、お米です。それを粉にして参ります」

 米粉の製造を行うこの会社では、小麦の高騰を受け、この1カ月で問い合わせが急増しているといいます。

 武内会長:「『米粉をまず使ってみたい』と。『これから(米粉を)使い始めるが、どのような米粉の違い・特徴があるか』『米粉を使った製品はどのようになるか』という問い合わせが多数ある」

 焼き菓子やシフォンケーキ、てんぷら粉などに加え、最近では麺類の開発も進めているといいます。

 武内会長:「米粉というのは、日本ではまだ12、13年の文化ですが、日本人は米が大好きだというところから、市場的には、まだまだ無限大じゃないかなと」

(「グッド!モーニング」2022年3月30日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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