ロシア戦車撃退した“携帯兵器” 米に1日500基求めた威力とは(2022年3月25日)

ロシア戦車撃退した“携帯兵器” 米に1日500基求めた威力とは(2022年3月25日)

ロシア戦車撃退した“携帯兵器” 米に1日500基求めた威力とは(2022年3月25日)

 ゼレンスキー大統領がアメリカに対戦車ミサイルを一日500基求めている事が分かりました。このミサイル、持ち運びが可能でロシア軍の戦車に大きな打撃を与えています。

 包囲網は着々と狭まっています。

 NATO・ストルテンベルグ事務総長:「化学、生物、放射性物質、核の脅威に対する自衛のための装備を、ウクライナに提供することに合意しました」

 NATO首脳会議では、ロシアによる化学兵器の使用に備えてウクライナに必要な装備を提供することで合意しました。

 大統領も、武器の支援を呼び掛けました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「戦闘機は1%でいい。戦車は1%でいい。1%だ」

 なかでも切望される、“持ち歩ける兵器”があります。

 侵攻するロシア軍の戦車を、次々撃退するウクライナ軍。威力を発揮している兵器がありました。

 兵士:「我々の武器は十分そろっている。ジャベリンもある」

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「いわゆる携帯式の対戦車ミサイル、一番効果上げているのがアメリカ製のジャベリン。一番高性能で価格も高い」

 アメリカのベンチャー企業が開発した対戦車砲「ジャベリン」。重さ20キロ程で、大きな特徴は「使いやすさ」です。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「照準して引き金を引けば自動的に飛んで当たってくれる。基本的な操作を教えてもらえればプロでなくても使える」

 2.5キロ先にある戦車を、簡単な操作で狙うことができます。

 直撃するダイレクトアタックモードのほか、特徴的な性能として最大150メートルまで上昇して上部を狙う、トップアタックモードがあります。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「正面からミサイルを撃っても、なかなか破壊できないのが戦車。上からの攻撃に装甲が弱い」

 聖母マリアがジャベリンを構えるイラスト。募金活動などのシンボルとしても描かれています。

 教官:「ここをしっかり押して。押し切る感じで」

 操作が簡単なジャベリンなど、対戦車兵器や対空兵器の訓練を予備役や新兵で行っています。

 訓練を受ける隊員:「使ってみると、そんなに難しくなかったので、徐々に使いこなせるようになると思います」

 教官:「戦車を効果的に破壊できるので、このような国際支援はありがたい」

 ロシアはこれまで、200を超える戦車を失ったという報告もあります。

 アメリカや同盟国で5万基所有するとされるジャベリン。ウクライナは、アメリカに一日500基支援してくれるよう求めています。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「弱点がある。高い。一発あたり2000万円くらい。今回はこれが有効ということで、アメリカだけでなくNATOの色んな国から戦争が始まる直前に大量に入った」

 南部の戦況を大きく変える可能性を秘めた事態も起きています。港の先が大きな炎に包まれ、煙が空高く立ち上るなか、2隻の船が流されていきます。

 ウクライナ軍は24日、アゾフ海に面したベルジャンシクで、ロシア軍の大型揚陸艦「オルスク」を撃沈したと発表しました。

 CNN記者:「ウクライナ政府はロシア海軍の揚陸艦『オルスク』を撃沈したと主張しています。ウクライナ政府は『オルスク』だけでなく、ほか2隻の船にも損害を与えたとしています」

 ベルジャンシクは小さな海軍基地のある人口10万人ほどの都市で、先月28日以来、侵攻してきたロシア軍によって制圧されていました。

 そこに停泊していたロシア軍の揚陸艦をウクライナ軍が撃沈できた訳・・・。

 ロシア政府の見解やロシア軍の成功を喧伝するロシアの国営メディアが一役買ってしまっていた可能性があります。

 CNN記者:「ロシア国営メディアのテレビリポーターが船の艦首やドックから、ウクライナの港に入ってくる様子や兵員輸送車揚げの様子を自慢していました」

 その映像が撃沈3日前、ロシア国営メディア「RT」の記者のSNSに投稿されていました。

 港に停泊する大型の揚陸艦から、車体に「Z」と書かれた装甲兵員輸送車が陸揚げする様子が映されています。

 ロシア国営メディア記者:「ベルジャンシクに到着した。オルスクという船が輸送した。ロシア軍の“特別軍事作戦”を継続するため、追加の軍用車を輸送するよう対応している」

 ロシア国防省系のテレビ局でもやはりレポートしていました。

 ロシア国防省系メディアの記者:「スペースが多くある10の軍用艦が使われ、大量の兵器を運べる。戦車20台と兵員輸送車40台を搭載できる」

 これらの映像によって揚陸艦「オルスク」がいる場所が特定された可能性があるのです。

 CNN記者:「ウクライナ当局関係者は、冗談かもしれないがロシアの国営メディアが、ウクライナ軍が船を撃沈するのに大いに役立ったと示唆しました」

 ベルジャンシクはロシア軍が陥落を狙い、包囲を続けるマリウポリの西およそ80キロにあり、ロシア軍の補給拠点になっています。

 首都キエフのある北部でも戦況は変わりつつあります。

 アンダーソン退役准将:「まずこの街が奪還されました。とても重要です。アントノフ空港近くの村イルピンも奪還されました。空港から10キロほどです。ウクライナ軍が空港を奪還できれば様々な理由で極めて重要です。ロシア軍がヘリポートやミサイルの発射拠点として使うことを防げます。現在、キエフの周囲約56キロが防衛できています」

 アメリカ国防総省によると、ロシア軍がこれまでに発射したミサイルは1100発以上。住宅地や学校、病院などに着弾し、多くの民間人の死傷者を出しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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