ロシアは「殺すべき敵」 カメラマンが見た戦場の悲劇(2022年3月25日)
キエフ北部で取材中、ロシア軍の砲撃に巻き込まれた記者たち。
無事、避難することができた取材クルーの一人、イワン・リュビシュキルデイさん(38)。ヨーロッパ全域で放送・配信されているテレビ局「カレントタイム」のカメラマンです。
キエフ在住のカメラマン、イワン・リュビシュキルデイさん:「戦争が始まってからロシアを憎む気持ちがありましたが、もうありません。今は敵です。殺すべき敵なのです。ジャーナリストとして客観的にニュースを伝える必要があると分かっていますが、その気持ちを隠し切れません。侵略者は攻撃を続け、私の友人や子どもたちまで殺しているのです」
21日未明、ロシア軍はキエフ最大規模のショッピングモールを攻撃。ウクライナ人にとっての日常の風景が壊され続けています。
キエフ在住のカメラマン、イワン・リュビシュキルデイさん:「その光景を見て、ものすごいショックを受けました。ロシアのニュースで軍事基地だけ攻撃しているということですが、実際には違います。ショッピングモールは軍事基地でしょうか?軍隊が集まる場所でもありません」
住民の避難ルートとして設定された人道回廊を取材中にもロシア軍戦闘機から攻撃されたといいます。
キエフ在住のカメラマン、イワン・リュビシュキルデイさん:「避難している人をなぜ攻撃するのか理解できませんでした。戦車や軍隊は全くいません。橋を渡っていたのは一般市民で、持っていたのはかばんです。その人はロシア軍にとって何の脅威も与えません。それなのに攻撃されたのです」
この時、イワンさんは妻と子どもを失った父親に取材。父親はロシア軍の戦争犯罪を国際刑事裁判所で裁くため、壊れた妻のスーツケースや血のついた息子や娘の持ち物など戦争犯罪の証拠を集めていたといいます。
一人でも多くの命が無事であってほしい。イワンさんは日本がウクライナから避難してきた人を受け入れていることを知り、こんな表情を見せました。
キエフ在住のカメラマン、イワン・リュビシュキルデイさん:「本当に?それはすごい!本当にすごい!地図を見ると日本は遠く離れているのであり得ない話だと思っていました。避難民を受け入れている日本の皆さんに心から感謝します。ありがとうございます」
ロシアの侵攻により壊滅的な被害を受けたマリウポリ。支援物資に住民らが長い列を作り、携帯電話の充電もしています。温かい食べ物を食べる子ども。しかし、その脇にはロシアの特別作戦Zマークの付いた箱が。
支援物資を求める人:「夫は糖尿病を患い、栄養失調のため亡くなった。埋葬式をやってもらったが、遺体は花壇に埋められたまま。そんな状態の夫の遺体は置いていけない」
ウクライナ外務省によると、マリウポリのなかで、ロシアに制圧された地域に住む1万5000人が強制移住させられるということです。移住が決まった人々は着替えをさせられ、パスポートを取り上げられるといいます。
一方、マリウポリの南西約70キロのベルジャンシクでは、ウクライナ軍がロシア軍の揚陸艦を破壊。
ベルジャンシクは、これまでロシア軍によって制圧されたといわれていた場所です。反転攻勢に出たウクライナ軍。今後、戦況にどう影響してくるのでしょうか。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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