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和歌山大規模断水 水管橋崩落にみるインフラ危機【現場から、2021】
シリーズ「現場から、2021」です。今年10月、和歌山市でおよそ1週間にわたり、6万世帯が断水しました。ライフラインを支えるインフラの老朽化問題が、改めて浮き彫りになりました。
和歌山市で美容室を営む70代の女性。10月に断水が起きて以降、水を備蓄し始めました。
和歌山市民
「段ボールで6本入りが4つ、いまのところ。(Q.以前はこれほど水を備蓄していた?)しなかったですね。(再び断水は)起きてほしくない。人災やと思っています」
和歌山市の紀の川にかかる水管橋の崩落事故では、実に市の人口の3分の1にあたる13万8000人が、およそ1週間にわたり水の出ない生活を強いられました。
断水地域の住民
「トイレが大変なんですよ。衣装箱が2つぐらい空いていたので、そこへ水をためて」
「まさか80歳をまわって、こんな事しないといけないと思わないから、もうガタガタです」
和歌山市は、水管橋の隣にある道路に突貫工事で仮の送水管を設置、なんとか断水を解消させたのです。
今回の大規模な断水、大きく2つの要因が指摘されています。
1つは、「点検での見落とし」です。橋の吊り材には腐食による破断が複数あり、崩落部分にも同様の破断があったとみられていますが、和歌山市の月に一度の目視点検では見抜けなかったといいます。
この点について市のトップは・・・。
和歌山市 尾花正啓市長
「全国的にも水管橋など河川にかかっている所の点検基準が、具体的じゃないと思っています。和歌山市でも具体的ではなくて、その点が(破断の)見逃しにつながったのではないか」
もう一つの要因は、「単線だったライフライン」です。
記者
「紀の川より北側への送水ルートが六十谷水管橋1本だけというリスクはかねてから指摘されていましたが、複線化に向けた作業はほとんど行われてきませんでした」
断水が起きた紀の川の北側地域には浄水場がなく、水を送る唯一のルートが崩落した水管橋でした。市は、12年前(2009年)に送水ルートを“複線化”する方針をかかげてはいたものの、財源に限りもあり、既存の水道管の更新などが優先され進展することはなかったのです。
和歌山市 尾花正啓市長
「老朽管を放っておいてでも、二重化(複線化)への投資をするかとか、そういった選択というのは非常に難しい問題だと思うので、これはやはり、もう全体的、構造的な問題じゃないかなと思います」
今、全国およそ2割の水道管が、40年の耐用年数を超えています。今後その割合はさらに増え続け、各自治体は更新を迫られることになります。紀の川に沈んだ水管橋は、日本のインフラが抱える問題を改めて浮かび上がらせています。(22日10:44)
