“まん延防止”解除も・・・発電所停止&寒波で需要急増 初の『電力需給ひっ迫警報』発令(2022年3月22日)
首都圏で発令された『電力需給ひっ迫警報』を受け、22日は各地で様々な影響が出ました。
節電に協力するため、東京都内のスーパーでは陳列棚の蛍光灯の明かりや、冷蔵ケースの電源が消され、飲み物は常温での販売となっていました。JR大宮駅前にある大型のモニターは消灯。京急本線新馬場駅ではエスカレーターが止まりました。
都内のホームセンターでは、万が一の停電に備え、多くの人が防災グッズを購入していました。なかでも、懐中電灯は普段の5倍の売れ行きだといいます。
18都道府県に適用されていたまん延防止措置は、22日に全面解除されました。東京では、2カ月ぶりとなる通常営業。その初日に、電力の需給ひっ迫に見舞われました。
『鰓呼吸 中目黒店』林芳樹店長:「たくさんの方に来ていただきたいという気持ちはあるが、停電になってしまったら、営業どころではなくなるし、色々な方が困るので、僕たちができることはやっていきたい」
今回の事態の発端は今月16日の地震です。東京電力管内に電力を送っている福島県の新地発電所など、複数の発電所が大きな被害を受けました。
萩生田経済産業大臣:「現在停止している火力発電所のなかには、設備損傷により数週間から数カ月程度を要するものがあると事業者から聞いています」
こうしたなか、関東地方を冬の寒気が襲います。暖房需要が高まると見込んだ政府は、初の電力需給ひっ迫警報を発令し、節電を呼び掛けていたものの、22日午前10時の時点で需要が供給を上回りました。
そのため取られた策が“電気の融通”です。関西電力や東北電力など7つの電力会社は、午前7時から東電に電気を送り始めました。しかし融通された分だけでは足りないうえに、その後、東北電力管内でも需給がひっ迫し、東北電力は東電への送電を中止します。
東北電力:「本日、想定よりも気温が低下していることなどから、午前中に需給が大変厳しい状況となりました」
そこで切り札となったのが『揚水発電所』の稼働です。揚水発電とは、余った電気を使ってダムに水をくみ上げておき、電気の不足時に下に流して発電をおこなう仕組み。いわば巨大な“バッテリー”です。ところが、その揚水発電も、ダムの水が想定を上回るペースで減り始め、午後2時の時点で残り59%に。萩生田経済産業大臣は緊急会見を開き、こう呼び掛けました。
萩生田経済産業大臣:「現在までのところ、節電効果は150万kW程度にとどまり、目標としている水準を、200~300万kW下回る状況。このままでは残念ながら、ブラックアウトを避けるために、地震の当日と同様に広範囲の停電を行わざるを得ない状況が近付いています」
この時、電力は供給量に対して107%使用されていました。東京電力は、このまま節電の協力が得られなかった場合、早ければ午後8時台に大規模な停電が発生する可能性があると発表。大規模停電が起きれば最短でも午後11時まで続く見込みとされ、危機感が一気に高まりました。
しかしその後、節電が進むと同時に、通常の出力を超えた発電を行うなどして供給量が徐々に増加。経済産業省は午後9時前、会見を開き「停電を回避できるめどが立った」と発表しました。
経産省電力基盤整備課・小川要課長:「夜の8時時点で、目安として揚水の発電可能量1000万kWhを確保したいという話があったが、その水準を上回る形でここまできているので、揚水の量の不足による停電の可能性は回避することができた。23日の電力需給については、引き続き寒さも厳しいので、引き続いての節電のお願いをどういった形で継続するか検討中」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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