「脱出できない」激戦地マリウポリの息子家族を案ずる女性(2022年3月22日)

「脱出できない」激戦地マリウポリの息子家族を案ずる女性(2022年3月22日)

「脱出できない」激戦地マリウポリの息子家族を案ずる女性(2022年3月22日)

 首都キエフでは再び外出禁止令が出され、警戒を強めています。ロシア軍は商業施設への攻撃につい「ロケット弾が保管されていたためだ」などと攻撃を正当化しています。

 ウクライナ人のデモ隊に向かってくるロシア兵・・・。と、その時に何かを投げました。

 閃光(せんこう)弾です。辺り一帯で発砲音も鳴り響きます。

 ロシア軍が全域を制圧したと発表したウクライナ南部ヘルソン。依然、抵抗の姿勢を示す住民たちに対し、ロシア兵がデモを解散させようとしたのです。

 ロイター通信によりますと、ロシア側は民間人を標的にしたことを否定しているといいます。

 そして、こちらの攻撃についても・・・。

 20日、首都キエフのショッピングモールが破壊されたことについてロシア側は、この攻撃には正当な理由があったと主張したのです。

 ロシア・国防省報道官:「ロシア偵察からの複数の報告によると、(ショッピングモールで)ウクライナ軍の多連装ロケット砲が確認されたうえに、ロケットの弾薬庫を発見した」

 ロシア側は、ショッピングモール内ではウクライナ軍が多連装ロケット砲に砲弾を装填していたと指摘。攻撃を正当化したのです。この攻撃で8人が死亡しました。

 そんななか、アメリカのバイデン大統領が、ある懸念を口にしました。プーチン大統領がウクライナで生物・化学兵器の使用を検討しているというのです。

 追い詰められているプーチン大統領が今後、過激な戦術に出る可能性があるというのです。

 一方、ロシア軍に包囲されているウクライナ南東部マリウポリ。電気や水道などのライフラインが止まり、人々はたき火で料理し、雪を溶かして水を飲む悲惨な状況です。そのマリウポリから脱出できない人が命の危機にさらされています。

 ロシア軍の包囲によってインフラが遮断されるなか、わずか3分の会話で母に訴えたのは息子の決意でした。

 息子がマリウポリに残るリュボヴさん(69):「息子は『お母さん私たちは避難できないから勝利までいる』と言っていました」

 ウクライナ中部ドニプロに住むリュボヴさん。

 安否を願う息子はロシア軍が攻撃を続けるウクライナ南東部の要衝、マリウポリに暮らしています。

 息子がマリウポリに残るリュボヴさん:「マリウポリはとても美しい街でした。街の人たちも皆優しく働き者です。あんな素晴らしい街と人々を攻撃するなんて。恐ろしい・・・」

 ロシア軍は20日、ウクライナ軍に対し、マリウポリを武装解除して明け渡すよう通告。21日朝を回答期限としていましたが、ウクライナ側はこれを拒否。

 ゼレンスキー大統領は、こう国民に呼び掛けました。

 ウクライナ・ゼレンスキー大統領:「マリウポリは占領者によって灰になるまで破壊されています。しかしマリウポリは絶対に生き残ります。国と人々を守るために、できることは何でもしてほしい」

 灰になるほどの激しい攻撃・・・。

 マリウポリからの避難者:「私たちはマリウポリからやってきました。街はもう90%くらい破壊されています。何も残っていません」

 マリウポリの人口は約40万。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」によりますと、ロシア軍の侵攻開始から3000人以上の市民が死亡した可能性があり、現時点で少なくとも20万人が市内にとどまっているといいます。

 息子がマリウポリに残るリュボヴさん:「脱出できるかと聞いたら『できない』と言われました。襲撃されるか、家族皆バラバラになるかなんです」

 リュボヴさんのマリウポリに住む息子は彼の孫も含めた8人家族ですが、車が1台しかないうえに脱出ルートには地雷が埋め込まれている可能性や襲撃される危険があるため、動くことができない状況なのです。

 息子がマリウポリに残るリュボヴさん:「戦争の前に麺類と小麦粉を買いだめしていましたが、そろそろ無くなるころです」

 願いは一日でも早い終結。しかし・・・。

 息子がマリウポリに残るリュボヴさん:「ロシアが望むウクライナを完全に制圧して何も言えない動物同様にさせられるのは嫌です。ウクライナは生きています。私たちは平和を望んでいます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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