「赤信号無視は過失ではない」小5の娘失った父の苦悩「あいまい」な危険運転致死傷罪の条文

「赤信号無視は過失ではない」小5の娘失った父の苦悩「あいまい」な危険運転致死傷罪の条文

「赤信号無視は過失ではない」小5の娘失った父の苦悩「あいまい」な危険運転致死傷罪の条文

2年前、東京葛飾区で、小学5年生の女の子が車にはねられ死亡した事故は、単なる「過失」なのか、悪質な信号無視による「危険運転」なのか。あいまいな法律の解釈が焦点となっている裁判が、あす判決を迎えます。

「6年生がんばろう」新学期に向け希望に満ちていたはずの子供部屋。

長女・耀子さんを亡くした 波多野暁生さん
「ランドセルもそのままありますし、整理できないですよね、悲しくて」

2年前の3月、波多野暁生さんの1人娘で、小学5年生だった耀子さん(当時11)は、青信号で横断歩道を横断中に車にはねられ死亡しました。その時、一緒に歩いていたのは波多野さん。自身も意識を失って病院に運ばれ、回復して再び目にした娘は、棺に入れられた状態でした。

長女・耀子さんを亡くした 波多野暁生さん
「いろんな人から愛されるキャラクターだったと思いますし、本当にこれからが楽しみな娘でした」

耀子さんをはねたのは、元配送業の高久浩二被告(69)。赤信号で交差点に進入したとして「過失運転」の疑いで逮捕されました。「過失運転」の場合、刑の上限は懲役7年。

青信号の横断歩道で娘の命を奪った償いとしては足りないと考えた波多野さんは、刑の上限が20年となる「危険運転」での起訴を求め検察に働きかけ続けました。

長女・耀子さんを亡くした 波多野暁生さん
「なかなか危険(運転致死傷罪)での立件は難しいというトーンだったが、ようやく(1年たって)、「危険」で立件にこぎつけた」

波多野さんの思いが通じた形で、東京地検は、高久被告を「危険運転致死傷罪」で在宅起訴。その運転が「過失」ではなく「危険運転」にあたるかどうかが裁判の焦点となったのです。赤信号の交差点に進入した行為が「危険運転」にあたる場合について、法律では、「赤信号を殊更無視」と書かれています。この「殊更無視」とはどのようにして認定されるのか?交通事故の法律に詳しい専門家は・・・

交通事故の法律に詳しい 川本哲郎同志社大学元教授
「殊更にっていうのは、主観、心の内の問題ですよね。うっかりして赤信号を無視してしまったケースは除外される」

川本氏は、赤信号に気付いた場所が直前であれば「殊更無視」したことにはならず、「危険運転」が認められないケースもあるといいます。

裁判でも、高久被告が赤信号に気づいた位置の認定が争点に。検察側は、交差点よりも28メートル手前だと主張しましたが、弁護側は、12メートル手前を主張しています。

「危険運転」の罪について裁判所はどう判断するのか。判決は、明日言い渡されます。

(21日10:12)

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