避難民を送った車で命がけの食料調達 ウクライナ市民の極限状態の生活(2022年3月19日)

避難民を送った車で命がけの食料調達 ウクライナ市民の極限状態の生活(2022年3月19日)

避難民を送った車で命がけの食料調達 ウクライナ市民の極限状態の生活(2022年3月19日)

首都キエフの東に位置するブロバルイでは、15日、ウクライナ軍を取材中の記者たちがロシア軍の砲撃に巻き込まれました。

(取材クルー)
『道路も攻撃されている』
『近くにシェルターは?』
『神様助けて・・・お願い助けて・・・』

急いで車に乗り込みます。

(取材クルー)『スピード出して!道路の穴は無視しろ!』
(ドライバー)『地雷だらけだぞ!』
(取材クルー)『ブレーキかけている場合か?逃げ切れないだろ!』

(記者)
『マイクが壊れたので携帯で撮影を続けます。運よくドライバーも我々クルーも3人とも生き残れました』

一方、この日、別の場所では・・・

(記者)
『ロシアの進軍を止めただけでなく、撤退させるまでに至っています』

ウクライナ軍は18日、ロシア軍がキエフ侵攻に使っている2つの主要なルートを封鎖したと発表しました。

(記者)
『損傷の少ない戦車はウクライナ軍が修理して使うそうです』

(ウクライナ兵)
『ロシア軍のバッジです ロシア人の名前が書いてあります』

ウクライナ政府は、死亡したロシア兵の情報を集め、ロシアにいる家族からの問い合わせに答える取り組みも続けています。

(オペレーター)
『私たちは人として、ロシア兵の母親たちがちゃんと埋葬できるようにしてあげたい』

(ロシア兵の母親)
『息子からはベラルーシでの訓練に参加すると聞いていました』

このホットラインにはロシア人から1日約300件の電話があると言います。

(オペレーター)
『ロシア兵の母親たちは「息子は悪くない。信じてください。ロシア国民を代表して謝ります」と口をそろえて言います。母親たちには「拘束を恐れずデモに参加して声をあげなさい。恐ろしいのは拘束されること?息子が戦地で死ぬことでしょ」と伝えています』

一方、そのロシア兵たちによって奪われ続けている命。
国連人権機関は、17日までにウクライナで少なくとも民間人816人が死亡したと発表しました。

(家族3人を亡くしたセルヒー・ペレビニスさん)
『これは娘が背負っていたカバンです。血の痕がはっきり見えます』

キエフ近郊のイルピンに住んでいたペレビニスさん。
家族3人の死をSNSに投稿された写真で知ったと言います。
それは6日のことでした。
ペレビニスさんは新型コロナに感染した母親の元に。
一方、妻と息子と娘は、先に自宅から避難をはじめていたといいます。

その時、ロシア軍の砲弾が3人の近くに落ちました。

(家族3人を亡くしたセルヒー・ペレビニスさん)
『20分後に最初の写真がアップされ、横たわっていたのが私の子どもたちの遺体でした』
『妻に一緒に避難できないことを謝ったら楽観的に「大丈夫」と言っていた。それが最後のやり取りになった。世界中の人々に見てほしい。私たちがどれほど卑劣に殺されているか。これは私が家族のためにできる最後のことです』

ウクライナ第二の都市、ハリコフ。
市民500人が犠牲になったとされる激戦地では、命がけの支援を続ける人がいます。
18日、車の中で不安そうな顔をする人たち。
これはハリコフを脱出する時の映像です。
この支援をしたのがワシーリ・リャブコさんです。

(避難支援をするワシーリ・リャブコさん)
『皆さんに役に立つように何かやりたかったんです。私の地域も2日前に水道が止まりました。食料や薬も足りていません。僕は元々軍に関係がない民間人のミュージシャンですが、出来る限り皆さんを助けてあげたいんです』

リャブコさんは自身のSNSで避難支援の情報を日々投稿。
車を出してくれるボランティアを募り、これまでに300人以上の市民を避難させました。
さらに、避難させたその足で食料を確保し、市民に配っています。

(避難支援をするワシーリ・リャブコさん)
『危ない地域の人から避難させています。砲撃が激しいと、駅や市外にすぐ避難できないので、少しでも静かなエリアまでとりあえず避難するしかありません。二日前、一緒にボランティアをしていた運転手は殺されました。二週間ぐらい一緒に避難などの支援をやっていました』

しかし、小さな子供と妻を避難させ、1人ハリコフに残って、支援を続けるといいます。

(避難支援をするワシーリ・リャブコさん)
『僕はスーパーマンじゃないしヒーローになりたいわけじゃないけど、やっぱり安全な場所で携帯電話をいじるより、できることをやりたいんです』

キエフの北部・スラブチッチでも極限の状態が続いています。
夫と5歳の息子と暮らすタチアナさん。
1週間前の取材時には、町がロシア軍に包囲されて避難さえできず、食料も残りわずかでしたが・・・

(キエフ州の北部に住むタチアナ・クズネツォーヴァさん)
『勇気ある住民たちが食料を持ってくるため、キエフまで行ってくれた。銃撃されながら車で行っている。14日に電気が回復して喜んだけど、いつまで持つかわからない』
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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