参院選前のバラマキか 年金生活者に5000円給付案 野党や市民からも批判の声
政府・与党内で急浮上した年金生活者などへの5000円の給付案。これに批判の声が高まり、与党側は火消しに躍起となっています。
「参議院選に向けた対策なのではないかって」
「一種のバラマキだよね」
波紋を呼んでいるのはコロナ禍の高齢者向け支援策として突如、浮上した臨時給付金。今週火曜日、自民・公明の幹部4人がそろって岸田総理に直談判したもので、年金生活者などおよそ2600万人を対象に一律5000円程度を配る案が浮上しています。
しかし・・・
日本維新の会 藤田文武幹事長
「政策合理性のない全くの愚策だと」
相次ぐのは「なぜ高齢者だけ」という批判です。
「若い人たちに、だったらお金を配ってほしい」
「子育てにも回してもらえたら助かりますね」
「全世代苦しい思いをしてるってのは変わらないので、もう1回金額とかも含めて見直しが必要かなって思う」
立憲民主党 蓮舫 参院議員
「何で高齢者だけなんですか。7月は参院選です。これ選挙目当てっていうんじゃないですか」
岸田首相
「物価をはじめ様々な状況をしっかり見た上で政府として検討をしたい」
なぜ給付金が必要なのか。提案の中心となった自民党の茂木幹事長はこう説明します。
自民党 茂木敏充幹事長
「年金生活者の方、これから現役世代はおそらく賃上げが起こっていくんだと思いますけれど、どうしてもタイムラグが出てしまうと」
新型コロナの影響で現役世代の賃金は下がっています。これに連動し高齢者が受け取る年金額も改定され、新年度となる来月から0.4%引き下げられる予定です。現役世代については新年度、賃上げも予想されますが、その賃上げが高齢者の年金に反映されるのは次の年度から。そこで、給付金で穴埋めしようというのです。
「物価がこうやって上がってきていますから、ありがたいと言えばありがたいですけど」
「5000円だったら高級な食事くらい食べられるかな」
一方で・・・
「反対です。いらないです」
「本当に困っている人にあげれば」
自民党内からも茂木幹事長ら党の一部で提案が決まったことに批判の声があがります。
自民党中堅議員
「自民党の議員も報道で『えっ』と初めて知る形になっている。なぜ給付が必要なのか、地元で説明できない」
茂木幹事長とともに総理に申し入れをした公明党の石井幹事長はきょう、相次ぐ批判を受け・・・。
公明党 石井啓一幹事長
「追加の経済対策ということはかねてから申し上げておりまして、今回の対策もそういう総合的な対策の一部という位置づけですから」
年金生活者への給付金は追加の経済対策のあくまで一部と火消しに追われましたが、政府は今後、いかに有効な経済対策を打ち出すことが出来るのか注目されます。
(18日15:55)
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